2月6日(土)午後1時から、金沢勤労者プラザにおいて、海員労組と海員組合の第6回団体交渉を行った。

前回の第5回団体交渉が昨年11月19日であり、約2か月半ぶりでの団体交渉の開催である。

海員組合からは、勘場賢次総務局長、鈴木順三総務部長の他3名が参加、当方は私一人が出席した。

これまで海員組合との間で行った、第2回(平成27年4月10日)、第3回(同年5月20日)及び第4回団体交渉(同年6月29日)については、海員組合の交渉態度が非常に誠意にかけるものであったため、海員労組は、不誠実団交として石川県労働委員会に不当労働行為救済命令を申し立て、現在審査が進められている。

前回の第5回団体交渉でも、海員組合の不誠実な交渉姿勢に変化はなかった。

第2回から第5回までの団体交渉において海員組合の交渉委員長を務めたのが勘場賢次総務局長であり、それを補佐したのが鈴木順三総務部長である。

そこで海員労組は、第6回団体交渉申入れに際し、この両名については、交渉姿勢が硬直的かつ不誠実であり、特に使用者としての説明責任の履行に大きな問題があるとして、第6回団体交渉については、森田保己組合長または田中伸一副組合長の出席を求めた。

しかし、今回もまた不誠実な団交を重ねる両者が出席したため、交渉冒頭、海員労組は厳しく抗議した。

海員労組が、第6回団体交渉における交渉事項として挙げたのが、次の5項目である。

①暫定労働協約の締結
②新再雇用職員規定の遡及的撤廃と旧再雇用職員規定が有効であることの確認
③組合従業員規定の労働基準監督署への届出
④再雇用契約または継続雇用契約によらない定年後の雇用形態について、その採用の条件及び労働条件の説明
⑤北山及び阿部の再雇用契約の更新と職場復帰

これらの交渉事項5項目については、団交申入れ書の中に、具体的な質問事項を明記し、これに対する検討とともに、文書での回答を求めていた。

ところが海員組合は、暫定労働協約については文書で示したものの、他の4項目については準備せず、その理由として申入れ文書を誤解していたという、極めて不誠実なものであった。

文書回答を求めた一例を挙げれば、海員組合が再雇用職員の期末手当だけを不支給としたことについて、東日本大震災による財政上の問題を理由に挙げていることから、特別会計を含め数値を示しての具体的な説明を求めた。

これについて海員組合は、東日本大震災直後の第67年度予算(平成23年8月1日から平成24年7月31日)で、一般会計で約10億円の赤字を予定したが、決算では約4億6千万円の赤字になったためと説明している。

海員組合の会計は、一般会計と特別会計から構成され、規約に基づき毎年度一般会計から特別会計への繰入が行われている。

従って、一般会計から特別会計に多額の繰入を行えば、一般会計が赤字になるのは当然であり、そのため海員労組は特別会計を含めた会計についての説明を求めているのである。

ところが海員組合は、一般会計の赤字を強調するばかりで、特別会計を含めた会計全体の説明を拒んでいるのである。

こうした姿勢は、「母屋(一般会計)ではおかゆをすすっているのに、離れ(特別会計)ではすき焼きを食っている」と疑われても仕方がない。

来月から海員組合の春闘(労働協約改定交渉)が始まるが、海員組合は会社側の経営実態について、海員労組に対して示す様な一部の表面的な説明で、納得するというのであろうか。

その他の交渉事項についても、押し並べて同様な態度を海員組合は示した。

それらの具体的な内容については、今後お知らせすることにするが、このような海員組合の交渉態度は、春闘の行方を心配せざるを得ないものなのか、それとも海員労組に対する特別なものなのか、間もなく判明することになるであろう。



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海員組合は、1月29日に緊急記者会見を開き、「民間船員を予備自衛官補とすることに断固反対する声明」を発表した。

その内容は、海員組合のホームページに掲載されている。

この情報を最初に耳にした時、なぜ今ごろ海員組合は騒いでいるのだろうかと奇異に感じた。

今回の緊急声明の書き出しは『一昨年からいわゆる「機動展開構想」に関連する一連の報道を受け、全日本海員組合は、民間船員を予備自衛官として活用することに対し断固反対する声明を発し、様々な対応を図ってきた。』とある。

「様々な対応を図ってきた。」にもかかわらず、なぜこのタイミングで慌てたように緊急声明を出したのか、全く理解できない。

つまり「様々な対応」が不十分であったか、あるいは何もしていなかったことを自ら公表しているようなものである。

もしかすると、平成28年度予算に盛り込まれていること全く知らず、国会で予算審議がはじまるこの段になり、大騒ぎをしているということなのであろうか。

仮にそうであれば、噴飯ものと言わざるを得ない。

平成26年8月3日に海員組合は「8月3日付 毎日新聞の報道に関する声明」を出し、民間船員を予備自衛官にすることに断固反対している。

ところがその翌年に公表された防衛省の平成27年度概算要求の内容において、「予備自衛官補」についての予算が計上され、それについては、昨年7月25日のこのブログでも紹介している。

この問題について、私の知る限りでは、平成26年8月25日付の船員しんぶんで取り上げただけで、組合員に対する情報公開は行われていないものと思われる。

組合員の安全確保は、何よりも優先すべき事項であるにもかかわらず、今回の慌てようは、自らの怠慢をさらけ出しているようなものである。

執行部員が半減したために組合活動が停滞したためなのか、それとも組合指導部が従業員との間の訴訟に明け暮れているためなのか、あるいは海員組合の情報収集能力や対応能力が驚くほど低下してしまっているのか、大型カーフェリー会社の職場委員を中心に検証を行う必要があるのではないか。






1月29日(金)午後1時10分から、東京地裁521号法廷において、再雇用契約更新拒絶訴訟の判決言い渡しがあり、海員組合が私に対し行った再雇用契約更新拒絶は否定され、私の再雇用職員としての地位が確認され、勝利判決を獲得した。

この裁判で海員組合は、私がこのブログにおいて海員組合に対する誹謗中傷を繰り返す不法行為を続けたことが雇用契約上の誠実義務違反に該当するとして、再雇用契約更新拒絶は客観的に合理的な理由があると主張していた。

海員組合がこのブログを違法なものとする主張は、海員組合が私に対し1億円の損害賠償を求めた裁判と同様であるが、これについては1月19日の最高裁の決定で、海員組合の主張が完全に否定された判決が確定している。

今回の判決においても、海員組合が違法であるとした本文記事10件、コメント114件について、個別に検討され、最高裁決定と同様、全てについて違法性はないと判断された。

これにより、私が現在においても再雇用職員としての雇用契約上の地位にあることが確認され、あわせて再雇用契約が更新拒絶されたために得られなかった賃金と、民法で定める5分の遅延損害金の支払いが命じられた。

つまり海員組合は、またも敗訴を繰り返したとになり、再雇用契約更新拒絶を決定した指導部の責任は免れない。

一つ意外であったのは、夏と冬の年2回支給されている期末手当について、請求棄却の判断が示されたことだ。

裁判所の判断は、期末手当の支払いについての労使慣行を否定し、法的効力は無いとするものだ。

一般には賞与と呼ばれる期末手当について、その支払い請求を否定する判断は、労働者のみならず経営者も受け入れ難いのではないだろうか。

現在、春闘が展開されている中、労働側はベースアップによる月例賃金の増額を基本とする年収の確保を、経営側はベースアップに拘らず手当や賞与を含めた年収を意識しての対応を示している。

これらの動きからすると、わが国においては、賞与の支給が労使慣行として定着していることを如実に示していると言える。

海員組合としても、一般組合員のことを考慮すれば、労使慣行としての賞与の支給を否定する司法判断は容認することはできないのではないだろうか。

この期末手当についての司法判断は、大いに不満の残るものであるとともに、他の労働者にも悪影響を及ぼす危惧があることから、受け入れ難い内容だ。

今回の判決は、その基本である雇用関係の存在が確認されたことが最も重要であり、勝利の判決であることに揺るぎは無いものの、引き続き判決内容を十分精査し、今後の対応を判断したい。

提訴以来、2年5ヶ月の長期の間、傍聴に駆けつけて頂いた方々をはじめ、支援頂いた多くの方々に心より感謝申し上げたい。

ありがとうございました。





昨日、このブログの左蘭に「お知らせ」を設けた。

その目的は、コメントを抑制するものではないことを、まずご理解願いたい。

このブログについて海員組合は、管理人である私に対し、海員組合の名誉を棄損し業務を妨害したとして一億円の損害賠償を求める裁判を提起したが、最高裁による今月19日付の決定により、法的問題は一切ないことが確定した。

私はこの最高裁決定を踏まえ、1月22日、海員組合の森田保己組合長に対し、このブログのコメントについて、次の提案を書面で行った。

① 私は、ブログの画面上に次の表記をする。
「当ブログでは、記事をお読みいただいた方のコメントの投稿を歓迎します。ただし、他人に対する単なる誹謗中傷や、確証のない推測に基づく事実の指摘等は、お控えくださるようお願いします。また、投稿されたコメントについては、ブログの管理者は責任を負いかねますのでご了解ください。」

② 私は、投稿の目的が単に他人を誹謗中傷することにあると一見して明白に認められるコメントを見つけた場合には、これを自主的に削除する措置をとる。

③ 貴組合は、単なる誹謗中傷や根拠のない事実摘示を内容とするコメントを見つけた場合には、当該コメントの削除を私に要請する。この際、コメントで摘示された事実が真実でないときは、貴組合は、私に対し、摘示事実が真実でないことにつき一定の説明をする。必要があれば、私は、貴組合に対し、資料の提示や追加の説明を求めることができる。

④ 私は、貴組合の削除要請を踏まえ、これが単なる誹謗中傷であると認められる場合、または貴組合の説明や資料を踏まえて摘示事実が真実でない可能性が高いと認められる場合、当該コメントを速やかに削除する措置をとる。


この提案書面には、次の内容も記した。

 私は、コメントの投稿も、重要な表現の手段であり、貴組合の運営を正常化させるために有益な言論活動だと考えています。貴組合においても、自らに批判的なコメントをあまねく問題視するのではなく、これを反省と自己改革の契機とするよう切望します。特に、削除要請等の穏当な手段を経ないで、私に対していきなり訴訟を提起することは、ぜひおやめいただきたいと思います。
 貴組合は、労働組合なのですから、組合民主主義の下、自由な議論を許す寛容さがなければならないはずであり、少なくとも以前は、そのような風土が存在したはずです。指導部に対する批判を許さないという最近の貴組合の姿勢を見て、危機感を覚える組合員が少なくないことをよくご認識ください。


以上が「お知らせ」を設けた事情であり、これまで同様、活発なコメントの投稿を通じて、健全なブログの運営に協力して頂くことをお願いしたい。

言論の自由は保障されなければならないが、一方で、他人の人格的利益を違法に侵害することがないよう配慮することが求められることは当然のことである。

このブログの目的が「海員組合の再生」にあることを再認識し、今後も適切なブログ管理につとめていきたい。





2016.01.26 2016春闘
昨日(25日)、経団連主催の「労使フォーラム」が開催され、2016年春闘が事実上スタートしたとの報道があった。

私の見たテレビニュースでは、経団連の榊原会長と連合の神津会長が登場し、それぞれの考えを披露していた。

経団連側は、ベアに拘らず年収アップの努力を、連合側はベアによる月例賃金のアップを目指すとの構図だ。

経団連側の春闘に向けた方針は「経営労働政策特別委員会報告」に基づくもので、その委員長を務めているのは、日本郵船会長の工藤泰三氏(経団連副会長)である。

工藤泰三氏は日本船主協会会長であり、2016年春闘は、海運経営のトップが主導的役割を担っているということで、海運労使が大きく注目されることになるであろう。

日本船主協会の相手方は、言わずと知れた海員組合であり、ベースアップ獲得に向けた活躍が期待されるところだ。

他方、海員組合は数々の訴訟や不当労働行為事件において、人事権の濫用などの違法行為とともに、労働組合が不当労働行為を重ねるという前代未聞の出来事が明らかとなっている。

連合や経団連の中でも、海員組合の一連の問題は流布され、日本船主協会が海員組合との労使関係について、問題意識を持っていることは容易に想像され、その対応が注目される。

昨今の春闘は、労使問題に政府が介する官制春闘と揶揄されるようになり、労働側の実力に対する世論の厳しい声が高まっている。

労働組合は団結力と共に交渉力があってこそ要求実現という結果が伴うものであるが、その交渉力の低下が危惧されている。

海員組合も同様の問題を抱えていると思われる。

その顕著な一例として、海員組合が団体交渉において弁護士を同席させたことがある。

それは平成26年1月28日開催された、海員労組と海員組合との第1回団体交渉だ。

田中伸一副組合長を交渉委員長とした海員組合側交渉委員8名の中に弁護士が1名参加していた。

第1回団体交渉の中で海員組合は、就業規則を労基署に無届であることについて違法ではないとの驚きの主張を展開するなどしたところを見ると、労使交渉のプロである海員組合の執行部ではあるが、弁護士のサポートが必要であることを窺わせた。

さすがに田中伸一副組合長は、交渉開始から約15分後に休憩を求め、弁護士を退席させる措置を講じたが、執行部員OBである私としては、良い判断であったと高く評価したい。

労働組合の社会的影響力の低下が懸念される昨今、連合を構成する主要労働組合の強い交渉力が期待されるが、海員組合の場合は、その前にコンプライアンスとガバナンスの正常化を始めなければならない現状にあることは残念でならない。

海員組合の動きは、組合員のみならず、わが国労働運動の動向にも影響を及ぼしていることを執行部員や職場委員は自覚すべきであり、社会の厳しい視線が絶えず注がれていることを忘れてはならない。