9月11日(木)午後1時30分から、東京地裁第411号法廷において、海員組合が、このブログが偽計業務妨害であるとして1億円の損害賠償を私に請求し、これに対し私が、訴権の濫用と名誉棄損で反訴している裁判の第8回が開かれた。

この日の裁判の中心は、証人尋問であった。

被告である海員組合側からは、平岡英彦中央執行委員(国内局長)が、原告側は、私が証言を行った。

平岡英彦氏と私が、宣誓を行った後、裁判長は、証人である平岡英彦氏が嘘を述べれば、偽証罪に問われること、原告である私が嘘を証言した場合には、科料の制裁があることを告げ、証人尋問が始められた。

最初に、平岡英彦氏が証言席に座り、海員組合側の弁護士による主尋問、続いて当方の弁護士による反対尋問が、それぞれ40分程度行われた。

平岡英彦氏に対する主尋問では、海員組合が被った損害を中心に、主に次のような証言を行った。

・このブログを開設した平成22年から平成25年の間に減少した組合員1600名のうち、このブログの影響により、少なくとも100名の自己都合による脱退者が出たため、組合費の収入が減り、損害を受けたこと。

・北海道労働委員会で行われた、津軽海峡フェリーとの不当労働行為救済申立事件において、東京地裁が判決した、当時の藤澤洋二組合長の組合長選挙当選無効について、労働委員会関係者がこのブログを閲覧したために、組合代表者の適格性に疑念が出されたことにより、審査が大幅に遅れたこと。

・協和海運の組合員35名のうち、24名が移籍時に脱退したのは、会社が、このブログの影響を受け、従業員に対し、強い脱退勧奨を行ったものであること。

・このブログの影響で、従業員を募集しても、優秀な人材を集められないこと。

・団体交渉で、このブログについて、使用者から難癖をつけられたり、組合員からの問い合わせへの対応などにより、不要な労力を強いられていること。

一方、平岡英彦氏に対する反対尋問では、主に、次のようなことが明らかになった。

・このブログにより組合員が減少したとしておきながら、各年度末の組合員総数や、100名の自己都合脱退組合員の内訳について、具体的な内容が示されなかったこと。

・自己都合による脱退者は、ユニオンショップ制により会社を退職しなければならないが、その実態が把握されていないこと。

・津軽海峡フェリー不当労働行為事件を報じる、船員しんぶん(平成25年6月25日号)の記事によると、組合長選挙無効の件については、会社側が新聞記事と判決内容を証拠書類として提出していたこと。

・協和海運事件において、海員組合が横浜地裁に申し立てた、地位保全等仮処分命令申立が、すでに却下されていたこと。

・神奈川県労働委員会に申立てた、不当労働行為救済申立については、現在も審理が行われていること。

・脱退したとされている元協和海運の24名は、脱退届の処理が行われていないため、今も海員組合に籍があること。

・この裁判を提訴することを決定した海員組合の中央執行委員会において、当時の藤澤洋二組合長は反対していたこと。

・従業員である私に対し、ブログについての注意や、削除要請が一切行われず、提訴に踏み切ったこと。

私に対しても、主尋問の後、海員組合側の弁護士よる反対尋問が行われた。

その内容は、ブログを設けた経緯や目的、ブログの管理責任、ブログ本文記事およびコメント記事の記述内容を中心とするものであり、主に、次のようなことについて証言した。

・海員組合役員が、不当な解雇や自宅待機などの違法行為を重ね、私を組合活動から排除したため、その情報提供や、組合運営の是正を求める意見表明を行うためであったこと。

・ブログ本文は、全て私が書いたが、コメントは一切書いていないこと。

・コメントの記事の中には、ややお穏当ではない表現があるものの、海員組合が行っている違法行為を非難し是正を求めるものとしては、許容されるものと考えていること。

およそ3時間に及ぶ証人尋問の後、裁判長から今後の進行について尋ねられたところ、海員組合側が、最終準備書面の提出を求めたため、裁判長は、さらに期日を設けることにしたが、次回期日には結審する予定であることが表明された。

次回期日は、証人尋問調書を作成するために時間を要することなどから、次の日程とすることを確認し、閉廷した。

 日 時: 11月17日(月) 午後1時15分
 場 所: 東京地裁 415号法廷



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2014.09.10 依願退職
一昨日、海員組合のホームページに、船員しんぶん9月5日号がようやくアップされたので、目を通したところ、また一人、組合執行部員が依願退職していた。

どのような事情かは分からないが、最近の依願退職者の多さには驚かされる。

今年に入って、事務職員を除く依願退職者は、11人目である。

昨年の同じ時期から数えると、16人目になる。

昨年度の活動報告書によると、在籍専従執行部員を除く執行部員の数は、100名を若干超える数であった。

そうすると、僅かの期間に異常な数の自己都合退職者が出ていることになる。

この異常な依願退職者の数を目にすると、退職の理由が気にかかるところだ。

この中には、「本人の申し出」とはしているが、突然、組合本部に呼びつけられ、数日に及ぶ退職勧奨を受け、止む無く職場を去った者も含まれていると聞いている。

海員組合の力は、組合員の団結によるものであるが、それを指導する執行部員の存在も大きなものがある。

その執行部員が、異常なスピードで減少しているということは、海員組合の力が急速に低下していると見ることが出来よう。

いくつかの支部では、支部長が兼務する事態にまで陥っている。

職場でまじめに働く組合員が、こうした海員組合の執行部員の実態を目の当たりにした時、何を感じるだろうか。

説明の必要はなかろう。

他方、新規採用は進んでいるのであろうか。

海員組合が、私に対し、このブログにより名誉が棄損され、業務を妨害されたとして、1億円の損害賠償を求めている裁判では、海員組合への就職希望者が減少したのは、このブログが存在するためだと主張している。

就職希望者が、就職先の情報を収集することは当たり前で、従業員との間のトラブルが絶えず、訴訟が頻発し、度重ねて裁判所から違法行為を断じられているところへの就職を敬遠することは当然のことである。

海員組合が、優秀な人材を確保したければ、自らの行いを正せば、解決する問題なのである。

同時に、自己都合退職者を食い止めることもできよう。

現在の状況が続くと、組合員は残っても、それを指導する執行部員が確保できなくなるという、異常な事態が危惧される。

現在の指導体制が、これまでの行いを自己批判し、是正するとは考えられないとすると、指導体制の一新しか、海員組合を守り、再生する道は残されていないと言わざるを得ない。



最新の船員しんぶん(8月25日付)に「船員を予備自衛官とすることに断固反対」の見出しで、8月3日付の毎日新聞の報道についての記事が掲載された。

毎日新聞の報道を受け海員組合は、8月6日に声明を発表し、ホームページに掲載したが、事実関係についての記述がほとんどなく、船員しんぶんにおける詳細な説明を期待していた。

ところが、連日、海員組合のホームページを確認していたが、なかなか掲載されず、8月30日には、東京新聞が、毎日新聞とほぼ同内容の記事と特集を掲載し注目された。

遅れに遅れて、ようやく9月に入って、8月25日付船員しんぶんがホームページに掲載された。

しかし、内容は、期待していたものとは似て非なるもので、ますます疑問を投げかけざるを得ないものであった。

記事によると、海員組合は、毎日新聞の報道を受け、直ちに、新日本海フェリーと津軽海峡フェリーとの間で、それぞれ労使協議を行い、事実関係の確認と共に、船員と船舶の安全確保について改めて労使共通認識を図ったそうである。

その内容は、「有事に備えた民間船を活用した自衛隊の海上輸送、いわゆる機動展開構想の枠組みに基づく輸送事業について、一切の輸送業務に従事させない」というものである。

つまり海員組合は、新日本海フェリーと津軽海峡フェリーとの間で、機動展開構想に民間船員と民間船舶を従事させないことを確認したというものである。

一見すれば、これで問題は落着したかと思いきや、よく考えると、海員組合が新日本海フェリーと津軽海峡フェリーとの間で確認したところで、大本の防衛省、つまり国との間の確認がなければ意味のないことに気付く。

新聞報道によると、新日本海フェリーと津軽海峡フェリーの両社が防衛省と今年の6月~7月に契約したのは、「72時間以内に係留地を出港できる態勢を維持する。」というもので、それぞれの会社に約3億5千万円が支払われたとのことだ。

すでに2隻とも輸送実績があり、津軽海峡フェリー―の「ナッチャンWorld」は、昨年11月の自衛隊統合演習で、地対艦ミサイルを北海道から宮古島に運んだそうだ。

防衛省は、来年度からは長期契約を結ぶ予定で、その使用経費として、350億円を概算要求に盛り込んでいる。

海員組合は、「機動展開構想による海上輸送に民間船員を従事させない」としているが、新日本海フェリーと津軽海峡フェリーが、現在、防衛省と交わしている契約については何も触れていない。

全国一般紙が、大きく取り上げ、その内容を詳しく掘り下げ報道する中、この問題の主人公である船員を代表する海員組合が、その機関紙で組合員に伝えるものとしては、あまりにも貧弱としか言いようがない。

海員組合は、政府が考える「機動展開構想」に反対するのか?

海員組合は、新日本海フェリーと津軽海峡フェリーが、現在、防衛省と契約している内容を認めるのか。

現在の契約の内容は、どのようなものか。

所属する組合員に対する説明責任は果たされているのか。

防衛省が考える来年度以降の契約内容は、どのようなものなのか。

船主団体や船主協会との間で、この問題は話し合われているのか。

海員組合は、この件で防衛省とどのような話し合いをしているのか。


思いつくだけでも、多くの疑問を組合員は抱いているのではなかろうか。

大内教正氏は、8月15日、神戸で開かれた戦没船員慰霊式典で、二度と船員が戦争の犠牲となることがないよう、不戦の誓いの活動に傾注していくと挨拶したそうだ。

先の大戦で犠牲になられた、6万609人の船員の方々を語るからには、いま船員に降りかかる危機に対し、真剣かつ丁寧に取り組むことこそが、何ものにも代えがたい不戦の誓いであることを肝に銘じなければならない。



2014.09.02 中労委 結審
海員組合は、東京都労働委員会が6月23日に交付した、不当労働行為救済命令を不服として、6月26日付で、中央労働委員会に対し、再審査の申立てを行った。

その第1回調査が、昨日(9月1日)午後1時から、中央労働委員会において開かれた。

結論から言えば、1回の調査で結審し、命令が下されることになった。

今回の事件は、中労委においては「平成26年(不再)第32号 全日本海員組合事件」と称され、中労委の第3部会が担当した。

調査は、出席者の紹介から始まった。
中労委の審査委員および労使の参与委員に続き、海員組合側出席者として、大熊政一弁護士、田川俊一弁護士、堺充廣弁護士を含む6名の代理人弁護士と松浦満晴氏他2名が順に自己紹介を行った。

海員労組からは、代理人弁護士1名と代表者である私の他に、5名が自己紹介を行った。

次に、再審査申立人である海員組合と、再審査被申立人である海員労組が提出した書類の確認が行われ、東京都労働委員会の命令で示された事実認定について、双方に争いが無いことが確認された。

続いて、海員組合、海員労組の順で、個別の調査が、それぞれに30分程度行われた。

海員労組に対する個別の調査では、和解の可能性について質されたが、海員組合がこれまで数々の違法行為を繰り返していること、都労委命令についても独善的な解釈をしていること、石川県労働委員会における不当労働行為事件の状況などを述べ、非常に困難であることを率直に伝えた。

その後、全体会合が開かれ、審査委員は、和解が困難であると判断し、即日結審を告げた。

最後に、審査委員は、双方に対し、9月30日までに最終準備書面を提出するよう求め、閉会した。

今後は、中労委において、最終準備書面提出後に審査が進められ、その結果が命令として交付されることになる。

命令の時期についての具体的な説明はなかったが、中労委の業務が多忙とのことで、年を越す可能性も考えられるとの印象を受けた。

中労委における不当労働行為再審査事件の審査状況についての情報は持ち合わせていないが、恐らく1回の調査で結審するのは、そう多くはなないものと思われる。

都労委命令と、中労委における調査の経過から、自ずと中労委が交付する命令が推察されるが、中労委が、都労委命令を維持した場合、海員組合はどうするのであろうか。

その場合は、中労委命令に従うか、それとも中労委を相手に取り消し訴訟を提起するか、いずれかの判断を迫られることになろう。

海員組合にとって、極めて重大な中労委における調査であると思われるところ、田中伸一副組合長が参加しなかったのは理解が出来ない。

田中伸一副組合長は、1月28日に開催された海員労組との第1回団体交渉において交渉委員長を務め、その中で海員労組が法適合組合であるかに疑念を表明し続けたことが、都労委命令において問題とされているからだ。

自らの言動が都労委命令につながっているにもかかわらず、その当事者であり責任者である田中伸一副組合長が姿を現さなければ、中労委への再審査申立てに対する海員組合の姿勢が問われるのではなかろうか。

海員組合は、労働組合法に基づく資格証明の交付を中労委から受けているが、中労委においても不当労働行為が認定された場合、果たして、労組法に基づく労働組合として、問題が生じるか否か、注目されるところだ。

連合の中の主要な労働組合の一つであり、産業別単一労働組合を誇る全日本海員組合が、こともあろうに不当労働行為を行ったという前代未聞の事件は、労働委員会において、最終決着する日は、まもなく到来することになる。



8月28日(木)午前10時30分から、東京高裁812号法廷で、パワハラ裁判の第1回控訴審が開かれた。

裁判長は、開廷すると、第一審の原告・被告双方が提出した書面の陳述を確認すると、直ちに結審を宣言し、判決を10月2日(木)午後1時30分に812号法廷で言い渡すことを申し渡し閉廷した。

僅か5分程度の、呆気ない幕切れである。

この裁判の第一審判決は、5月23日に下り、藤澤洋二(当時、組合長)、松浦満晴(総務局長)、森田保己(当時、国際局長)の3氏の不法行為を認め、藤澤洋二氏に5万5000円、松浦満晴氏に16万5000円、森田保己氏に66万円、総額で88万円の慰謝料等の支払いを命じた。

この第一審判決に対し、松浦満晴、森田保己両氏が5月28日に控訴。

私も、第一審判決で示された事実認定に不十分な点があると判断したことと、被告とした藤澤洋二、大内教正、田中伸一、高橋健二、立川博行、田中利行、松浦満晴、森田保己の8氏のうち、藤澤洋二、松浦満晴、森田保己の3氏の不法行為しか認められなかったことから、6月3日に控訴状を提出した。

なお、藤澤洋二氏からの控訴の提起はなかった。

控訴審においては、第一審において、十分な審理・判断がされていることから、さらなる争点整理や証拠調べを必要としない場合、一回の弁論期日で結審することが多いようである。

控訴審判決が、第一審判決から6ヶ月以内という迅速なものとなったことは大いに評価できるが、最も重要なのは、判決内容であり、第一審判決を補充し、被告8名全員の不法行為が認定されるよう、10月2日を期待したい。