10月12日(木)午後2時から、東京芝公園にある、中央労働委員会において、海員労組が申し立てた、不当労働行為再審査申立事件の、第3回調査が行われた。

この事件は、第2回団体交渉(平成27年4月10日)、第3回団体交渉(平成27年5月20日)、及び第4回団体交渉(平成27年7月29日)における、①再雇用職員規定と期末手当、②組合従業員規定の労働基準監督署への届出の二つの交渉事項について、海員組合の交渉態度が極めて不誠実なものであったため、海員労組が平成27年9月28日付で石川県労働委員会に不当労働行為救済命令を申し立てたもの。

石川県労働委員会は、本年1月11日、海員組合に対し、不当労働行為救済命令を下したものの、その一部について、海員労組としては認め難いものがあったため、本年1月18日、中央労働委員会に再審査申立を行った。

海員労組が認め難いと判断したのは、海員組合が、再雇用職員の期末手当を一方的に不支給とした暴挙に関するもで、海員組合が挙げた理由は、「就業体系の違い」と「東日本大震災における財政的問題」の2点であった。

初審である石川県労働委員会の命令では、「東日本大震災における財政的問題」については、不当労働行為が認定されたが、なぜか「就業体系の違い」については、不当労働行為とはされなかった。

団体交渉の中で、海員労組は、再雇用職員の期末手当を一方的に不支給としたことは、大幅な不利益変更であり、撤回を求めたが、海員組合は、合理的な論拠を示すことなく、「不利益変更ではない」と強弁し続け、「就業体系の違い」について具体的説明を求めると、「それは個別の契約」と言い逃れてきた。

年収の3割を占める期末手当を、具体的理由を示すことなく「不利益変更ではない」と繰り返し、不支給とすることは、到底許されないことであり、労働委員会の場で糺すべきことである。

中央労働委員会における今回の調査では、海員組合が既に3件の不当労働行為を犯していること、さらに現時点で3件の不当労働行為事件が係属していること、加えて海員組合を被告とする3件の訴訟が進行していることから、根本的な労使関係の正常化に向けた解決策について模索しようとする考えが伝わってきた。

前回同様、海員労組、海員組合の順で調査が行われ、最後に双方が一堂に会した調査で、このままでは労使紛争が絶えることが無いことから、和解の道を検討したいとの考えが中央労働委員会から示された。

海員労組としては、これまでの異常な海員組合指導部の行動が改まらないかぎり、和解での解決は困難であるとの見通しはあるもの、和解案が提示されることを拒むものではないとの考えである。

次回の第4回調査では、和解案を巡っての調査が中心となるが、仮に不調になった場合、今回予定されていた、田中伸一、森田保己両氏の証人尋問の採否について判断され、場合によっては、結審する可能性も出てきた。

海員組合は、さらに何件の不当労働行為や違法行為を繰り返さなければ再生しないのか、海員労組の補佐人の中から、いつも通りの大弁護団を指し、組合費無駄遣いをいつまでやれば目が覚めるのかと指摘する声が上がった。

次回日程は、次の通り。

平成29年(不再)第5号全日本海員組合不当労働行為事件 第4回調査
 日 時 : 平成29年12月8日(金)14時
 場 所 : 東京都港区芝公園1-5-32 中央労働委員会







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2017.10.09 大衆討議
海員組合の地区大会が、今週10日から13日にかけ、全国各地で開催される。

地区大会の開催目的は、それぞれの地区から、全国大会に提出する議案の審議、決定などと組合規約に定められている。

そのため、各地では、本部が提案する活動方針(案)に対し、一部修正を求める議案や決議が審議され、毎年全国大会に上程されている。

つまり、海員組合の組合員にとって地区大会は、極めて重要な会議なのである。

このため中央執行委員会は、全国大会開催前の一定期間を「大衆討議」と称し、本部が提出する活動方針(案)を全組合員に周知し、意見を求めている。

ところが昨今、この大衆討議がいつからいつまで行われているのか、さっぱり分からない。

また、本部が提案している活動方針(案)についても、組合機関紙には全く掲載されていない。

以前は、大衆討議に間に合うように、活動方針(案)を特集する船員しんぶん号外が作成され、各船や各職場に幅広く配布され、多くの組合員の意見を聴取し活動方針に反映する努力が重ねられてきた。

これらの手続きは、組合員の団結から成り立っている労働組合としては当たり前のことで、組合民主主義の根幹だ。

先日、東京都議会議員2名が、都民ファーストの会を離党する際、ブラックボックスといった表現を使っていた。

民主的であるはずの組織の意思決定が、一部の者だけで行われることを指しているようだが、海員組合も同じようなことになってはいないか心配である。

明日公示される総選挙に向けての各党の論議では、様々な争点の中に、加計・森友問題を念頭にした、情報公開についての論議も活発に行われている。

これは当然のことであり、国民から徴収した税の使い道やその意思決定過程を明らかにすることは、為政者の義務である。

翻って海員組合の情報公開は、十分といえるであろうか。

大衆討議期間も活動方針(案)も、機関紙である船員しんぶんに掲載されていない現状では、落第の烙印を避けることが出来ないのではないだろうか。

組合民主主義とは何か、お任せ民主主義に陥っていないのか、執行部員や職場委員は、今一度考え、全国大会に臨んでもらいたい。







2017.10.04 総選挙
総選挙の公示が、いよいよ迫ってきた。

解散から僅か1週間、日々変化する政治情勢に、目が回る思いの方々も多いのではないだろうか。

中でも、解散直前に設立された「希望の党」に多くの注目が集まっていたところ、解散当日に「民進党」が「希望の党」に合流するというサプライズが加わり、新聞とテレビに釘付けの日々が続いている。

さらに、党の合流ではなく、嫌いな政治家は受け入れないとする小池選別が明らかになると、その手法に対する批判から、小池旋風に逆風が吹き始めた。

中でも、選別したはずの議員が立ち上げた「立憲民主党」は、旗幟が鮮明となり、大きな注目を浴びるという、皮肉な構図になろうとしている。

民進党の最大の支持母体である連合の神津会長も、民進党の前原代表も、騙されたのか、そうでないのか分からないが、方針が良く分からない。

海員組合が、今回の総選挙に対し、どのように臨もうとしているのか、今のところ情報はない。

これまでは、民進党を中心に推薦してきたが、今回は、希望の党、無所属、立憲民主党に分かれるため、何を基準に誰を推薦するのかが問われることになる。

中でも、前回の総選挙で推薦した現防衛大臣である宮城6区の小野寺五典氏(自民党)を推薦するか否かが注目される。

防衛省が推し進めている、民間船員を予備自衛官とする動きに、海員組合は断固反対し、防衛省への陳情活動を行ったことが報じられたが、そのトップである小野寺五典氏を、今回も推薦することは、流石にないであろう。

直近の船員しんぶんに、海員組合が推薦する議員が紹介されるであろうが、連合が安倍政権打倒を掲げる中、海員組合がどのようなスタンスで臨むのか見極めたい。





船員しんぶん9月25日号の一面には、新造された2隻の沖合底曳網漁船の紹介が、大きな写真4枚と僅かな記事で掲載され、その下に、今年の全国大会の開催が告示されている。

今年の全国大会の開催地は、なんと沖縄だ。

全国委員をはじめ参加を予定している面々は、大きな期待に胸を膨らませていることであろう。

全国大会の前に、各地で開催される、地区大会の日程が「現場の声を大会へ」とのタイトルだけで、2面に掲載されている。

そして、9月15日の開催された、第350回全国評議会の記事が、「諸問題に対し真摯かつ建設的な論議」とのタイトルで4面の片隅に掲載されている。

この配置に、違和感を覚える向きは、多いのではないだろうか。

船員しんぶんは、労働組合である海員組合の機関紙である。

それならば、全国大会に次ぐ、海員組合の意思決定機関である、全国評議会の模様を、第一に掲載すべきではないだろうか。

また、記事の内容もいただけない。

報告事項のタイトルを羅列しただけで、どのような内容の報告が行われ、それに対する議論が、どのようなものであったか、全く不明だ。

「諸問題に対し真摯かつ建設的な論議」とのタイトルを打たれても、中味が分からなければ体をなさない。

中でも、九州商船の不当労働行為事件や、協和海運・新協和海運の不当労働行為事件は、多くの組合員が関心を寄せているにもかかわらず、タイトルだけでは肩透かしと言うものだ。

もう一つ驚くのは、北朝鮮問題について、全く触れられていないことだ。

日本中が、北朝鮮の核とミサイル問題について、大きな不安に包まれている中、全国評議会において全く議論が無かったとは、信じがたいことだ。

北朝鮮のミサイルが発射された直後に、政府が発表するコメントの中には、付近を航行する航空機や船舶には被害は無かったとことが、必ず入っている。

付近を航行していた船舶に乗り組んでいるのは、組合員ではないのか。

一面で大きく紹介された沖合底曳網漁船2隻も、同様に大きな不安を抱いていることであろう。

違法行為や不当労働行為を繰り返す指導部の下での機関紙の編集は、苦労が多いことは理解できるが、少なくとも、組合員に直接影響がある問題については、正確に報じる責任が有るのではないだろうか。

組合員が、真面目に組合費を納入していることを再認識し、機関紙のあり方について改善を求めたい。









2017.09.22 牡蠣養殖
牡蠣養殖と言えば、広島を連想する人々が多いのではないだろうか。

事実、広島県の牡蠣養殖は、水揚げ量日本一で、他を圧倒している。

瀬戸内海の、穏やかで豊かな海が、養殖に適しているということだが、それを支えているのは、牡蠣養殖に従事する人々だ。

ところが、ご多分に漏れず、牡蠣養殖においても、労働力が不足し、外国人に依存しているのが実態だ。

その外国人の多くは、中国や東南アジアからの出稼ぎ労働者であるが、名目は「技能実習生」として、わが国への入国を果たしている。

この技能実習生を生むための「技能実習制度」を巡っては、様々な問題が指摘されているが、その一番が、残業代の未払いなどの労働トラブルだ。

平成25年3月には、広島県の江田島で、中国人技能実習生による、経営者を含めた8人の殺傷事件が起き、これにより広島県の牡蠣養殖における外国人技能実習生が全国から注目された。

この牡蠣養殖の技能実習生が、海員組合の組合員であるということを知る人は少ないのではないだろうか。

海員組合は、外国人技能実習生を「非居住特別組合員」として組織し、監理団体との間で労働協約を締結している。

マグロなどの他の漁業が、漁協や船主協会との間で労働協約を締結しているのに対し、牡蠣養殖では「監理団体」と締結しているのが味噌だと言われている。

海員組合との間で労働協約を締結する相手は、使用者であり、労働協約を遵守する必要があるのだが、牡蠣養殖漁業の監理団体は、趣を異にしているようで、外国人研修生を導入するためのトンネル団体だと指摘する向きもある。

とは言え、海員組合の非居住特別組合員である以上、彼らの権利や労働条件を守るための活動を、海員組合は行わなければならないが、十分果たしているのであろうか。

中には、海員組合が組合費だけを徴収し、彼らへのサービス活動を疎かにしているという声が聞こえている。

また、彼らは、海員組合の非居住特別組合員であることも知らされず、組合費を徴収されているというものもある。

彼らの中には、広島にある他の労働組織に加入し、未払いの残業代の支払いを求め、裁判闘争を行っている。

仮に、裁判闘争を行った実習生が、海員組合の非居住特別組合員であるとしたら、大問題だ。

悪徳業者と海員組合が手を結んでいると言われかねない。

労働運動は、組合費を徴収するのが目的ではなく、組合員の権利を守るための活動を行うことであるが、海員組合では、その基本さえも忘れされようとしているのであろうか。