本日(7月28日)午後1時から、海員労組が石川県労働委員会に申し立てた不当労働行為救済申立事件の第2回調査が、石川県庁内の石川県労働委員会会議室で行われた。

前回同様、申立人である海員労組からは、私が一人、被申立人側(海員組合側)からは、大熊政一弁護士、相馬達雄弁護士他1名の弁護士と、松浦満晴総務局長他1名の総勢5名が出席した。

冒頭、審査委員長から、海員労組が本事件(第1号事件)とは別に、7月14日に申し立てた不当労働行為救済申立事件(第2号事件)について、労組法上の争点が異なることから、2件は、別件として審査することが述べられた。

続いて、第1号事件の第2回調査に移り、審査委員長から今回の予定について、審査計画の策定と和解の意向につて尋ねたいとの考えが述べられた後、出席者、第1回調査調書、提出書面の確認の順で調査が進められた。

次に今回双方が提出した準備書面を踏まえて、双方に対し、認否及び反論の予定について尋ねられた。

当方は、争点について、団交開催場所が金沢か東京かという明白なものであるため、相手方次第で対応する旨を述べたが、相手方は、争点は比較的簡単であると述べたものの、同種の裁判例やこれまでの経過などについて反論したいとしたため、今回新たに労働委員会から求められた釈明を含め、双方が次回期日までに、準備書面を提出することになった。

次に、和解の意向について、双方が個別に尋ねられた。

まず、海員組合側が約25分間にわたり和解の意向について尋ねられ、続いて当方が約12分間尋ねられた。

和解について当方は、都労委事件の経過や、都労委の命令に対し海員組合側が中労委に再審査を求めている現状では、和解を受け入れるという意思が全くないことを伝えた。
  
その結果、審査委員長から、和解については、双方にその土壌が無いことを確認したとして、このまま調査を続行することが宣言された。

次に、審査計画の作成について審議され、主な争点、書証について確認された後、証人尋問について、海員組合側から、松浦満晴氏が申請されていることが披露された後、当方に対し、証人申請の有無について質問があった。

当方は、人証については今後検討することを述べるとともに、松浦満晴氏はともかくとして、田中伸一氏が海員組合側の中心人物であることから、証人として検討していることを伝えた。

最後に、今後の日程について話し合われ、審査委員長からは、次回調査において審査計画を確定させたいとの意向が示されるとともに、次回日程においては、第1号事件の第3回調査の後、第2号事件の第1回調査を引き続き行うこととし、今後、第1号事件と第2号事件を同じ期日で進行することが述べられた。

なお、労働委員会の都合で、予定されていた10月29日の第4回調査期日は10月27日に変更され、予備日として12月1日が新たに設けられた。

最後に、次回期日が8月27日であること、その1週間前の8月20日までに双方の準備書面を提出すこと、10月27日の第4回期日をもって結審する予定であることが審査委員長から述べられ、午後2時30分閉会した。

海員労組が石川県労働委員会に申し立てた、二つの不当労働行為救済申立事件は、同じ期日で、別件として並行して審理されることになったが、極めて合理的な労働委員会の判断であると言えよう。

後は、第1号事件の審理が迅速に行われ、本来の目的である正常な団体交渉が一日も早く実現し、海員労組の組合員及び海員組合従業員の期待に応えられる日が、早期に訪れることを願いたいと思っている。


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「全日本海員組合不当労働行為事件」と聞けば、大方の人は、海員組合が使用者の行った不当労働行為の救済を申し立てている事件と思いそうであるが、全く逆である。

海員組合は、6月23日に交付された東京都労働委員会の不当労働行為救済命令を不服として、6月26日、中央労働委員会に対し、再審査の申立てを行った。

中央労働委員会は、7月3日、この再審査申立てについて、調査を開始するとの通知を、海員労組に送ってきた。

その通知に記された事件名が「全日本海員組合不当労働行為事件」である。

事件番号は、中労委平成26年(不再)第32号、再審査申立人は全日本海員組合、再審査被申立人は全日本海員組合従業員労働組合である。

海員組合が中央労働委員会に提出した再審査申立書はA4一枚もの。

そこに書かれた「再審査申立ての趣旨」には、「東京都労働委員会が発した平成26年5月20日付(同年6月23日命令書交付)救済命令のうち、主文第1項及び第2項を取り消し、再審査申立人からなされている不当労働行為救済命令の申立てをいずれも棄却するとの命令を求める。」とある。

それに続く「不服の要点・理由」には、「上記命令に対する不服の要点及び不服の理由については、追って主張する。」とされていた。

海員労組は、この再審査申立書に対して、8月1日までに答弁書の提出を求められているが、現時点では、海員組合が追って主張するとしている「不服の要点・理由」が届いていないため、反論することができない状況にある。

中央労働委員会は、再審査の調査開始通知と同時に、「初審命令の履行状況について」海員組合に報告を求めている。

その文書は、次のように書かれている。

全日本海員組合
 組合長 大内教正 殿
                                                  中央労働委員会会長
                     初審命令の履行状況について

標記事件に関し、東京都労働委員会が平成26年6月23日貴殿に交付した命令(都労委平成25年(不)第50号)は、労働組合法第27条の15により、再審査の申立てがあった場合にも、その効力は停止されていないので、これを履行しなければなりません。
 もし、上記の初審命令が履行されていないときには、労働委員会規則第51条の2の規定に基づいて履行勧告を行うことになりますので、下記の点について平成26年8月1日(金)までに当委員会あてに報告してください。
                             記
1.初審命令を履行した時期及び状況
2.もし履行していないならば不履行の理由についての弁明
                                                            以上


労働組合が不当労働行為救済命令を受けるという前代未聞の事件は、多くの海事関係者や労働組合関係者ならびに厚生労働省や国土交通省などの行政組織も強い関心を寄せていよう。

そうした中、海員組合は、都労委の決定を不服として再審査を求めたため、その注目度はさらに高まり、どのような主張を展開するか、多くの関係者が凝視しているものと思われる。

さらに、海員組合は初審命令を履行していないのであり、その理由についても、中央労働委員会に報告しなければならないことになっている。

労働組合が、使用者の立場で、どのような再審査申立ての理由を主張し、初審命令不履行の理由を述べるのか、内容次第では、今後の労働界において、大きな禍根となることが危惧されよう。




7月15日(月)、竹中正陽氏が東京地裁に提訴していた「労働組合員としての地位保全等仮処分命令申立事件」の決定が下った。

主文の第一項には、「債権者が、債務者に対し、債務者の完全資格組合員としての権利を有する地位にあることを仮に定める」と記され、これにより、債権者である竹中正陽氏が完勝したことが容易に理解できる。

この結果は、組合執行部員であれば誰しも予測できたものと思われるが、決定文を読み進むと、見事なまでに海員組合の主張が退けられている。

海員組合の主張は、60歳を越えた竹中正陽氏が内航船を下船退職したことが組合規約に定める「廃業による除籍」に該当し、組合員資格を喪失したというものである。

これに対し、竹中正陽氏は、これまでの海員組合における対応からすれば、そのような組合解釈は認められないというものである。

どう考えてみても、海員組合側の主張は、竹中正陽氏に組合員資格を与えないために作りだした、新解釈としか思えない。

裁判所は、この決定文の中で、海員組合に対し、次のように述べている。

「そもそも、債務者の組合員数は、最盛期には16万人を超えていたが、日本人組合員については約3万人にまで滅少し、組合員数の減少に歯止めがかからない厳しい現状にある。かかる債務者のおかれた立場からすれば、本来あらゆる手段を尽くして少しでも組合員数の拡大を図らねばならないはずである。衰退を甘受するわけではなかろうに、なにゆえ年齢制限など設ける必要があるのか埋解しがたい。
また、労働組合は労働者の地位の向上 (労働組合法1条)を目指すことをその組織の性格とする存在であるところ、雇用確保が労働者の地位向上の主要な部分を占めるがそれに限られるわけではない。就労の意思及び能力がある者に対し広く門戸を広げ、それぞれの要望に応えるのが産業別単一労働組合としてのあるべき態度ではないかと思われる。」


この文面を見て、何とも言えない羞恥心を感じた者は、少なくないと思われる。

あろうことか、国家権力の象徴である裁判所が、労働組合である海員組合に対し、規約の解釈を諭し、産別労働組合のあり方を教示しているのである。

自治を重んじる海員組合にとって、これほど屈辱的なことはなく、これを主導している現指導部の責任は重大であり、今回の決定を真摯に受け止め、自らの非を認め、事態の収拾を図らなければならない。

仮処分命令に異議を申し立て、本訴に持ち込み、時間を稼ぎ、その間に開催される全国大会に竹中正陽氏を入場させないなどということを画策するようなことがあっては断じてならない。

労働組合は、結集し団結するからこそ力が発揮できるのである。

そのためには、年齢や性別、職種や立場を越えた組合員間の信頼関係の醸成こそが不可欠であるにもかかわらず、不都合な一部の者たちを排除するために、勝手に規約の解釈を変更するなどという組織は、もはや労働組合とは呼べない。

ある支部においては、船内の選挙で選ばれた船内委員長を、担当する支部長が、60歳を超えていることを理由に、認めないという問題が発生している。

この問題も、竹中正陽氏の組合員資格を認めないことと同じような問題であり、今後の組合側の対応によっては、法的判断に委ねられる可能性がある。

労働組合には、外部からの干渉を許さない高度な自治が認められているが、今回の命令は、組合自治の象徴である組合規約について、現指導部の解釈が、裁判所から変更を命じられるという異常事態が起きているのである。

執行部員、職場委員、全国委員の諸君、それでも、この異常事態に対し、見て見ぬ振りを貫くのであろうか。

組合員のことを、いま一度誠実に考え、自らの良心に問い質し、正しい行動に一歩踏み出してほしい。




海員労組は、7月14日(月)、石川県労働委員会に対し、現在調査が進められている事件とは別に、海員組合を被申立人とする、新たな不当労働行為救済申立書を提出した。

新たに提出した申立ては、昨年8月末、私の再雇用職員労働契約の更新を拒否したのは、私が海員労組を結成したことなどに対する海員組合の不当労働行為意思に基づくものであり、昨年9月以降も再雇用職員としての契約が更新されたものとして扱うこと、すなわち現職復帰を求めたものである。

私は、平成24年8月末日、海員組合を定年退職し、引き続き、再雇用職員として雇用され、65歳までの雇用が保障されていた。

私は、昨年4月18日、海員労組の結成に参加し、4月25日に団交を申し入れたところ、海員組合はこれを黙殺したため、5月14日、止む無く東京都労働委員会に不当労働行為救済申立てを行った。

こうした中、海員組合は、7月18日、私との間の再雇用職員労働契約期間が8月31日をもって終了すると通知してきた。

7月月22日、私は、9月1日以降も再雇用労働契約を更新することを通知した。

ところが海員組合は、8月9日、「契約期間満了」とする退職辞令を送付してきたため、8月12日、再雇用労働契約を更新しない理由を求めたところ、8月22日、このブログが海員組合及び役員に対する誹謗中傷を繰り返し、有形無形の損害を与え続けている状況下では、再雇用契約の更新はできないとする文書が送られ、再雇用契約を一方的に終了させたのである。

このような海員組合の行為は、労組法第7条で定める不当労働行為1号及び4号に定める次の行為に該当する。

・労働者が労働組合を結成しようとしたことの故をもって、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること(1号)

・労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。(4号)

さらに海員組合は、海員労組を嫌悪し、その弱体化を図ろうとして、私の再雇用契約更新を拒否したものであり、3号に定める支配介入にも該当するのである。

今回の新たな不当労働行為救済申立てが、石川県労働委員会において、どのように取り扱われるかは、判明した段階で、改めてお知らせすることとしたい。

海員労組は、すでに、A再雇用職員の再雇用契約更新拒絶事件(東京都労働委員会)、第2回団体交渉拒否事件(石川県労働委員会)、都労委命令に対する海員組合からの再審査請求事件(中央労働委員会)の3件を各労働委員会で係属しており、今回の事件が加わると、4件ということになる。

これらの事件は、海員組合が、自らが労働組合であるとの原点に立ち返り、従業員が結成した労働組合を正しく認識し、その要求に誠意をもって向き合えば、解決する問題である。


7月11日(金)午後1時15分から、東京地方裁判所521号法廷で、私の再雇用契約の更新拒絶が無効であり、海員組合との間の雇用契約が継続していることの確認を求める訴訟の第5回が行われた。

まず裁判所は、7月7日に行われた偽計業務妨害裁判の経過を質したため、その訴訟経過について説明した。

次に、裁判所は、当方に対し、今回、海員組合側から出された準備書面に対し、反論するよう求めたため、次回期日において反論することとした。

今回、海員組合側が提出した準備書面は、これまでも主張していた、企業(組織)秩序遵守義務を基本に、このブログの表現が、企業秩序遵守義務に反した不適切な言動があることは明白として、当方が主張してきた内容について、各論にわたり、反論するものであった。

企業秩序遵守義務とは、企業がその存立と事業の円滑な運営を維持するために企業秩序を定め維持する権利があり、雇用される労働者は、企業に対し働く義務(労務提供義務)と共に、企業秩序を遵守する義務を負うとの考え。

次に裁判所は、海員組合側に対し、再雇用に関する何らかの基準があるのかどうか、ある場合には、どのような基準かを質し、次回期日までに主張するよう求めた。

また、賛助組合員の扱いや賛助組合員であることによって本訴で何か影響が生じるのかどうかを説明するよう海員組合側に求めた。

最後に、裁判所は、次回期日を次の通り定め閉廷した。

期 日 ; 平成26年9月12日(金)
時 間 ; 午前10時00分より
場 所 ; 東京地方裁判所 521号法廷



今回の裁判で、裁判所が海員組合側に質した、再雇用契約に関する基準は、再雇用を拒絶する際の基準が明確になっているのかという趣旨であろうと思われるが、海員組合の定めた規定には、そのようなものは見当たらない。

また、賛助組合員に関する裁判所の指摘は、定年により、正組合員から賛助組合員になった場合、組合に対する非難行為は、正組合員であった際とは異なった制約があるとの海員組合側の主張があるためと思われる。

海員組合側が主張の基本に据えている、企業秩序遵守義務は、いわゆる一般の企業を念頭に置いたもので、組合運営に関して組合員が自由に意見表明する権利が保障されるとする労働組合法の考えとは、異にすることは、すでに当方から主張済みである。

今後の裁判は、これまで重点が置かれたブログ記事の内容に加え、再雇用契約拒絶の手続きや、労働組合内における組合員の発言権にも視点が注がれることになりそうである。