1月24日に開催された、海員労組と海員組合の団体交渉の交渉事項は、次の4項目だった。

①当組合との間の暫定労働協約の締結
②新再雇用職員規定の遡及的撤廃と旧再雇用職員規定が有効であることの確認
③再雇用契約または継続雇用契約によらない定年後の雇用形態について、その採用の条件及び労働条件の説明(就業規則の有無や組合員資格の点を含む)
④賛助組合員に組合規約に定める完全資格組合員の権利を与えること

残念ながら、一項目も解決をすることができなかったが、海員組合側は、2月21日に開催される第11回団体交渉において、いくつかの項目について検討結果を示すことになっている。

その一つが、④の賛助組合員に組合規約に定める完全資格組合員の権利を与えることである。

第10回団交において海員労組は、労働組合法第5条に定める組合員の範囲を質した。

海員組合は、労組法第5条に定める組合員は、正規の組合員(組合規約第5条に定める組合員)だけであると述べた。

そうすると、組合規約に定めている、賛助組合員、非居住特別組合員、共済組合員などは、労組法第5条に規定する組合員ではないことになる。

労働組合法第5条第2項の3号と4号は、次のように定めている。

3号  
連合団体である労働組合以外の労働組合(以下「単位労働組合」という。)の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すること。

4号
何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によって組合員たる資格を奪われないこと。


賛助組合員や非居住特別組合員などは、海員組合規約においては、文字通り組合員とされているが、組合員としての権利は全く与えられていない。

この扱いは、労組法第5条に照らせば、違法となるのではないだろうか。

組合員ではないとの見解に立つのであれば、組合員でもない者から、組合費という名目で金員を徴収することも問題がある。

これは、単なる寄付金と言うことになる。

この問題は、賛助組合員に限らず、組合費の約7割を占める非居住特別組合員(外国人組合員)の組合員資格にも大きく影響する問題だ。

海員組合の出方が注目される。





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竹中正陽氏と海員組合が争っている地位確認等請求控訴事件の判決言い渡しが、2月8日午後1時50分から、東京高等裁判所808号法廷で行われた。

判決主文は次のとおり。

1 本件各控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は各自の負担とする。

注目された平成25年11月、長崎で開催された全国大会において実施された組合長選挙の無効については、残念ながら竹中氏の主張は認められなかった。

東京高裁の判断は、一審同様、「確認の利益がない」とするものである。

一方、被告である海員組合と松浦満晴副組合長も控訴していたが、これも棄却されたため、海員組合に対する165万円の損害賠償請求(132万円の限度で一審被告松浦と連帯支払)、一審被告松浦に対する132万円の損害賠償請求(一審被告海員組合と連帯支払)は維持された。

この裁判で竹中氏は、次の10項目についても規約違反と訴え、①と⑦を除く8項目が不法行為と認定されている。

①乗船中の船内委員長就任の拒否
②平成24年全国委員選挙の規約違反に対する苦情申立の無視(選挙日程を理由なく早めたこと。個人加入組合員に投票用紙を発行しなかったこと)
③会計帳簿閲覧の度重なる拒否
④組合費の受取り拒否
⑤船員職業紹介所への離職登録の拒否、乗船あっせんの拒否
⑥組合大会の傍聴拒否
⑦組合本部への立ち入り制限
⑧組合長選挙立候補を否定された件に対する苦情申立ての無視
⑨全国委員への繰り上げ当選拒否
⑩全国委員選挙立候補届の不受理

どう考えても、同じ訴訟の中で、これほどの違法行為を犯したとされる海員組合が強行した組合長選挙の無効が退けられたことは、組合員として耐え難いことである。

裁判所が示した「確認の利益がない」という法律判断は、素人には難解だが、過ぎてしまったことは今更判断しても意味がない言うもののようだ。

しかし、違法な選挙で選ばれた者が、海員組合の歴史の中で、今後も組合長として扱われても良いのだろうか。

最高裁への上告が検討されても良いような事件に思われるが、どのような判断が双方から示されるか注目したい。






竹中正陽氏と海員組合が、組合長選挙無効等について争っている裁判の控訴審判決が、明日(2月8日)午後1時50分から、東京高等裁判所808号法廷で言い渡される。

平成25年11月に長崎で開催された全国大会は異様なものであった。

まず一つは、当時組合長であった藤澤洋二氏が、統制違反として処分され海員組合から放逐されてしまったのだ。

原職の組合長を、副組合長と中央執行委員全員が、統制委員会に告発するという前代未聞の出来事は、全国大会において、その内幕が赤裸々に報告され、全国委員や関係者の度肝を抜いた。

二つ目は、空席となった組合長について、前触れもなく、急きょ組合長選挙を実施したことだ。

この選挙には、当時顧問であった大内教正氏と竹中正陽氏が立候補届を提出した。

ところが、大内教正氏の立候補は認められたが、竹中正陽氏の立候補は無視されたのだ。

組合役員に立候補する権利は、組合規約に定められた、すべての組合員が持つ権利である。

組合規約を破り、竹中正陽氏を排斥して行われた組合長選挙は、大内教正氏の信任投票となり、大内教正氏が組合長に当選したとされた。

昨年8月5日、東京地裁で下された一審判決は、竹中正陽氏の被選挙権が侵害されたことや選挙手続きに違法があり、大内教正氏を選んだ組合長選挙も違法なものであるとしたが、大内教正氏の任期がすでに終了し、新たに森田保己氏が組合長選挙で選ばれているとし、選挙の無効を確認する必要まではなく、損害賠償により救済すべきというものだった。

一般的には、インチキ選挙で選ばれた者が、組合長を名乗ることは許されないことである。

しかし、訴訟においては、過ぎてしまった事実について、確認する利益があるのかないのか、ここが大きな争点になる。

海員組合指導部の専横は、藤澤洋二氏の時代から始まり、悪いところだけが今の指導部に継承されている。

数多くの違法行為を重ね、さらには労働組合でありながら不当労度行為を繰り返す海員組合に対し、明日の判決が、海員組合の再生に繋がる、厳格なものとなることを期待したい。






2017.02.03 節分
海員組合の執行部員や職場委員は、不当労働行為について、全く理解していないのではないだろうか。

海員組合が、労働組合でありながら、これほど多くの不当労働行為を重ねても、組織の中から声一つ上がらないということは、その証左に違いない。

不当労働行為について理解していないということは、不当労働行為を規定している労働組合法も理解していないということになる。

海員組合の幹部をはじめ、執行部員や職場委員が、労働組合法を理解していないということは、船乗りが船員法や船舶職員法を理解していないことに他ならない。

日本の船乗りに、船員法や船舶職員法を知らない者はいない。

ところが、その船乗りを束ねる労働組合が、労働組合法に無知ということは、ありえないことであり、事実とすれば悲劇と言わなければならない。

そこで、このブログを閲覧している執行部員と職場委員のために、不当労働行為について述べてみたい。

不当労働行為とは、使用者が労働者の団結権を侵害する行為であり、労働組合法で禁止されている。

労働組合法第7条では、使用者の労働組合や労働者に対する次のような行為を不当労働行為として禁止している。

1.組合員であることを理由とする解雇その他の不利益取り扱いの禁止(第1号)

2.正当な理由のない団体交渉の拒否の禁止 (第2号)

3.労働組合の運営等に対する支配介入及び経費援助の禁止 (第3号)

4.労働委員会への申立て等を理由とする不利益取扱いの禁止 (第4号)


海員組合は、労働組合法で禁じられている第1号から第4号までの、すべての不当労働行為を犯している。

ブラック企業でも、ここまで見事に不当労働行為を重ねる者はいないであろう。

それが労働組合であれば、何をか言わんやということになる。

今日は奇しくも「節分」である。

明日は立春、冬から春への季節の変わり目である。

執行部員ならびに職場委員の皆さん、「福は内、鬼は外」と声を出し、厄除けを行い、海員組合再生のための「節分」にしませんか。





2017.01.30 協和海運 ⑬
協和海運問題が、船員しんぶんに掲載されていないことについては、昨年末のこのブログで触れた。

あれから1か月が過ぎ、最近発行された1月25日号にも全く掲載されていない。

神奈川県労働委員会が不当労働行為救済命令を交付したのが、昨年12月14日であり、考えられない遅延である。

昨年6月15日に発行された、船員しんぶん第2803号は、協和海運問題で全国から300人が集結し、抗議の行動を展開したことが、一面トップで大きく取り上げている。

これまで、協和海運問題は、船員しんぶんで優先的に扱われてきていた。

ところが、神奈川県労働委員会における不当労働行為事件が、海員組合側の完勝であったにもかかわらず、これを全く報じようとしないのは解せない。

それとも、掲載できない特別な事情でもあるというのだろうか。

考えられるのは、海員組合自体が、数々の不当労働行為を犯し、労働委員会から厳しい命令を数多く突き付けられていることだ。

現在においても、海員組合は使用者の立場で、中央労働委員会で1件、石川県労働委員会で1件、計2件の不当労働行為事件を係属している。

海員組合には、羞恥心という言葉は無いものと思っていたが、さすがに労働組合である海員組合が、世間を驚かす数々の不当労働行為を重ねたため、躊躇しているというのであろうか。

もう一つ考えられるのが、船員しんぶんの編集能力の低下である。

最近の船員しんぶんは、発行遅れは常態化し、内容についても希薄なものとなっているという批判が聞かれる。

そもそも、労働組合の機関紙は、組合員の雇用や労働条件に直結する問題を最優先に取り上げるべきであるが、その傾向は失われつつあり、親睦会の広報誌レベルになっていると噂されている。

協和海運問題は、神奈川県労働委員会が、すでにホームページで概要を分かりやすく掲載しており、それを参考にすれば、容易く記事は書けると思うのだが、それさえも叶わないという実情なのだろうか。

海員組合は、協和海運問題を組織の総力を挙げて取り組むと宣言している。

組合指導部にとって、組合員にも言えない不都合なことがあるとしても、それを公表し、組合員の審判を仰ぐ姿勢が労働組合には欠かせないはずだ。

不当労働行為を重ねたため、労働組合としての矜持さえも失ったということなのだろうか。