5月22日(金)午後1時10分から、東京地方裁判所521号法廷で、私の再雇用契約の更新拒絶が無効であり、海員組合との間の雇用契約が継続していることの確認を求める訴訟の第11回が行われた。

前回裁判(3月22日開催)において、裁判官の交代などが考慮されたため、2か月ぶりの裁判となった。

裁判の途中で裁判官が交代することに、若干の不安を感じたが、それは容易に払拭することができた。

裁判は、いつも通り、前回裁判以降、双方が提出した書証の確認が行われた後、裁判官は、海員組合側が過去に提出した準備書面に記載された証拠番号と証拠の番号が一致していないことを指摘し、海員組合側に訂正を求めた。

この一件で、当然のことではあるが、交代した裁判官は、これまで提出された書証のすべてについて、精緻に目を通しておられることが窺えた。

前回裁判に引き続き話し合われた証人尋問につて、当方は、原告である私と、被告側の森田保己、田中伸一両氏を申請した。

この申請に対し、海員組合側は、森田保己、田中伸一両氏の証人尋問は必要ないと述べた。なお、海員組合側は、鈴木順三総務部長を証人として申請している。

裁判所は、証人の採用について、双方の主張を踏まえ、引き続き検討することを述べるとともに、証人等の関係者の陳述書の提出を求めた。

一方、今回までに提出される予定であった、ブログのコメントについての双方の主張を対比した一覧表については、今回の裁判に間に合わなかったため、今後速やかに提出することが確認された。

次回日程については、裁判所の示したいくつかの日程に、海員組合側の主任代理人弁護士の都合がつかなかったことや、次回話し合われることが、証人の採否に関することが中心と思われることから、公開の弁論とはせず、弁論準備手続として行われることになり、次の通りとなった。

 日 時 :平成27年7月9日(木)午後3時30分
 場 所 :東京地裁13階 民事第19部 会議室

この裁判は、平成25年8月29日に労働審判として申立てたものが、本訴に移行したのが始まりであり、そうすると、2年越しの裁判になることが確定的となった。



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使用者が誠実に団体交渉に応じない場合、団体交渉拒否の不当労働行為とみなされる場合がある。

5月20日に開催された、海員組合と海員労組の第3回団体交渉における海員組合の態度は、まさに誠実に団体交渉に応じようとしない典型的なものであった。

午後1時半から金沢勤労者プラザで開催された第3回交渉は、海員組合側から勘場賢次総務局長、鈴木順三総務部長他3名が出席した。これは、第2回団体交渉と同じメンバーである。

海員労組は、北山等が一人参加した。

まず「暫定労働協約の締結」についてから交渉をスタートさせた。

海員労組が要求している暫定労働協約は、全14条で成り立つもので、労使関係をスタートさせるにあたって、労使間の基本的な事項について締結を求めるものである。

第2回団体交渉では、いくつかの条項は合意できたものの、相互の認識の違いから海員組合が持ち帰り再検討する項目が多くあり、その検討結果が示された。

ところが、その内容は、第2回団体交渉での内容と変化が感じられないものばかりで、海員労組としてはとても合意できるものでは無かった。

一例を挙げれば、「団体交渉において決定した事項は、協定書を作成し、海員組合、海員労組の代表者が署名もしくは記名捺印しなければならない。」という「協定書の作成」という条項について、合意を拒んでいるのである。

労使関係の確立を認めながら、労使合意した事項について、協定書の作成を認めないとは、理解不能である。

海員組合側は、合意できた条文をもって、とりあえずの暫定労働協約として合意したいと求めてきた。

その理由は、海員労組が早期の暫定労働協約締結を望んでおり、それに応えるためという笑いの止まらないものである。

肝心の条項が抜け落ちた、中身の無い暫定労働協約の締結を望む海員労組の組合員は誰一人いない。

海員組合側は、5月28日に開かれる中央労働委員会の調査に対し、暫定労働協約が締結できたことを報告し、労使関係が正常化していることをアピールしたかったのであろうが、全くの逆効果で、十分な事前の検討もせず、自らの主張に拘泥し、誠実に交渉しない様を強調する結果となった。

続く交渉項目の「新再雇用職員規定の遡及的撤廃と旧再雇用職員規定が有効であることの確認」についても、不誠実な交渉態度は、さらに際立つことになった。

具体的な交渉内容の報告は、次に譲るが、またしても不当労働行為救済命令を労働委員会に申し立てなければならないと判断させるものであった。

使用者には誠実交渉義務があり、ある裁判の判例では、次のような具体的内容が示されている。

「使用者は、自己の主張を相手方が理解し、納得することを目指して、誠意をもって団体交渉に当たらなければならず、労働組合の要求や主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示するなどし、また、結局において労働組合の要求に譲歩することが出来ないとしても、その論拠を示して反論するなどの努力すべき義務がある」

すでに海員組合は、二度にわたり、不当労働行為を認定され、その内容は、東京都労働委員会や中央労働委員会のホームページに掲載され、その名を馳せている。

一般企業の経営者でであれば、株主からコンプライアンスが求められ、不当労働行為と認定されるような行為を行うことは、不名誉の極みであるとの認識があるところ、労働組合である海員組合の場合は、事情が違うようである。

そうであれば、同じことが繰り返される危惧は払拭できず、労組法で認められた労働組合としての地位が、危機に晒されることになろう。





5月14日(木)午後4時から、東京高裁第22民事部において、偽計業務妨害裁判控訴審における2回目の和解手続きが行われた。

これは、4月22日に開かれた、偽計業務妨害控訴審が1回で結審し、6月3日に判決が言い渡されることになったが、これとは別に双方が和解の席に着くことになり、同日第1回の和解手続きが行われ、それに引き続くもの。

2回目の和解手続きは、双方の代理人弁護士だけが、裁判官に会議室に呼ばれるという格好で進められた。

まずは、双方の代理人弁護士が一堂に会し、次に一方の代理人弁護士が裁判官と面談する形式で約1時間行われたが、結論は得られなかった。

和解手続きは、さらに続行されることになり、次回は5月28日(木)午後2時から、東京高裁第22民事部の会議室で開かれることになった。

和解手続きの中で、裁判所の和解に向けた考えが示されているが、相手方との関係もあり、詳細な報告は現時点では控えたい。

判決言い渡しが6月3日に迫る中、3回目の和解協議では、和解の成否について判断が示されるものと思われる。

これまでの裁判において、和解協議は何度か経験してきたが、代理人弁護士だけで和解協議が行われたのは、初めてのケースである。

数の問題ではないにしても、海員組合側が海員組合の法律顧問である相馬達雄弁護士、大熊政一弁護士、田川俊一弁護士を含む5名の代理人弁護士が参加するのに対し、当方は1名の代理人弁護士である。

裁判を行うには、資金力が必要であることを、今回もまざまざと見せつけられることになった。



4月10日に行われた海員組合と海員労組の第2回団体交渉の最後に、第3回交渉について話し合われ、海員組合が5月18日の週が多忙であるとしたため、6月の第1週を目途に調整することになっていた。

ところが海員組合は、4月28日付で、5月20日、5月25日、5月27日のいずれかの日に団体交渉を開催したいと通知してきた。

第2回団体交渉における話とは違い、自らが多忙とした日程に第3回団体交渉を申し入れてきた格好だ。

海員労組としては、山積する課題を解決するためには、団体交渉を促進することが不可欠であり、最速の5月20日に団体交渉を開催することとし海員組合に通知した。

その結果、5月20日午後1時半から、金沢勤労者プラザ407研修室で、第3回団体交渉が開催されることになった。

第2回団体交渉における海員組合の交渉姿勢は、事前に文書で質問していた項目については、意図的にはぐらかすような文書回答を行い、実際の団体交渉においても、具体的な説明や回答を拒むという、およそ誠実さの無いものであった。

にもかかわらず、自らの予定を早めて団体交渉を求めてきたことに、他意を感じてならない。

どうやら海員組合は、石川県労働委員会が下した不当労働救済命令を不服として、中央労働委員会に再審査の申立てをしているが、その対策として、団体交渉の回を重ねようとしているようである。

中央労働委員会の再審査の日程は、5月28日である。

海員組合が求めてきた交渉期日は、いずれも中央労働委員会の再審査のある5月28日の前である。

海員組合は、中央労働委員会の再審査にあたり、事前に準備書面を中央労働委員会に提出している。

そこでの主張は、石川県労働委員会が命じた金沢における団体交渉開催は、4月10開催の第2回団体交渉が実現したことにより、実質的に履行されている。また、第3回団体交渉が開催されることが確定しており、海員労組が求めた不当労働行為救済申立はその必要性が消滅しており、石川県労働委員会の不当労働行為救済命令は取り消されるべきであるというものである。

全く都合の良い言い分である。
労働組合法では、石川県労働委員会の不当労働行為救済命令に対し、海員組合が中央労働委員会に再審査の申立てをしても、石川県労働委員会の命令の効力は停止されないことになっている。

従って、海員組合の取るべき行動は、石川県労働委員会が命じた不当労働行為救済命令を素直に履行すれば、それで全てが解決するのである。

海員組合は、労働組合法に基づき、労働組合としての資格審査を受け、労働組合法に適合する、「法適合組合」として認められている。

法適合組合として認められると、労働組合法に定める不当労働行為などの救済が与えられるとともに、法人として登記することができる。

現在、海員組合は労働組合法に基づく不当労働行為救済命令を履行していない。

つまり、労働組合法を無視しているのであるが、そのような労働組合が法適合組合として認められるのであろうか、甚だ疑問である。

仮に、海員組合が法適合組合として認められなければ、法人として財産を保有することが出来なくなり、海員組合はたちまち大変な状況に陥ることになる。

一般的な感覚からすれば、違法行為を繰り返す労働組合が、自らが拠って立つ労働組合法にも違反するとなれば、社会から厳しい制裁を受けることになるのは必至と思われるが、如何であろうか。



海員労組は、第2回団体交渉が円滑に行われるよう、交渉事項に関する質問を事前に海員組合に通知し回答を求めた。

その中には再雇用職員規定に関するものがいくつかあり、再雇用職員の期末手当を個別に定めるとした理由と、財政上問題があれば数値を示し具体的説明を求めるとしたものがその一つで、それに対する海員組合の回答は次の通りであった。

「再雇用職員の就業体系がそれぞれ異なるので、期末手当についても、個別に定めることとしたものです。」

海員労組の組合員である阿部博氏は、同氏の再雇用職員契約を海員組合が拒絶したのは無効だとして地位確認を求めて訴訟を行っている。

その中で海員組合は、再雇用職員の期末手当を個別化した理由の第一に、東日本大震災により東北地区の支部会館に甚大な被害を被ったなどとして約4億5183万円の巨額の赤字を計上したことを挙げていた。

ところが第2回団交においては、巨額の赤字には触れず、就業体系が異なることだけを理由に挙げたのである。

阿部氏の裁判で海員組合が財政上の理由を第一に挙げていることを団交の中で指摘すると、海員組合側は慌てて記憶に無かったなどと述べ、それも理由の一つであると開き直った。

阿部氏の裁判では、財政上の理由を第一に挙げながら、団交においては就業体系を理由にするという海員組合の態度は、極めて不誠実なものである。

財政上の理由があるならば、その説明を求めたが、これに対してものらりくらりと不誠実な交渉に終始した。

労働条件の不利益変更を求める場合、従業員に対し事前に説明するのは、労働組合に籍を置く者なら常識であるところ、海員組合の交渉メンバーには、その認識は全く感じられなかった。

大幅な赤字を海員組合が被ったのに、なぜ再雇用職員だけが期末手当を不支給とされるのか、その合理的な理由は全く聞くことはできなかった。

そこで、再雇用職員の現状について、問い質したところ、意外な事実が明らかになった。

まず、再雇用職員の人数について尋ねたところ、海員組合の回答は「確かな数字は分からないが7、8人位」という曖昧なものであった。

具体的に、昨年定年退職した執行部員が、安全指導員として雇用されているケースについて、再雇用職員として雇用契約を結んでいるのか質問したところ、意外な答えが返ってきた。

安全指導員については、再雇用職員ではないというのである。

再雇用職員でなければ、どのような雇用契約を結んでいるのか尋ねたところ、海員組合は回答できないと繰り返すばかりであった。

そこで昨年の全国大会に安全指導員が参加し議場で発言している事実を指摘し、安全指導員が組合員であるか尋ねた。

その答えは、定年年齢を過ぎた執行部員は組合員にはなれないというものである。

それならばなぜ組合員でもない安全指導員が全国大会に参加でき、議場で発言が許されるか、その規約上の根拠を尋ねたところ、これにも答えなかった。

昨年定年退職し、現在インドネシア代表部の代表を務めいている元執行部員についても再雇用職員であるか尋ねた。

このインドネシア代表についても、再雇用職員ではないという回答が返ってきた。しかし、その雇用契約がどのようなものであるかは、安全指導員同様回答を避けた。

インドネシア代表は、本部機構責任者であるため、当然組合員であると思い尋ねたところ、組合員ではないという回答が返ってきた。そこで組合員でも無い者が、なぜ本部機構責任者に就けるのか根拠を尋ねたが、その回答も無かった。

第2回団交で明らかになったのは、定年を迎えた組合従業員が雇用の継続を求めた場合、常任役員や顧問などの例外を除き、すべからく再雇用職員になるものと思っていたところ、そうではないケースがあるという事実である。

そうであれば、再雇用職員制度そのものが機能せず、海員組合が恣意的に運用しているのではないかと懸念されることになる。

そこで、何を根拠に再雇用職員制度以外で雇用契約を結んだのかを尋ねた。

その回答は驚くもので、組合従業員規定には、再雇用職員制度以外に雇用契約は結んではいけないとは書いていないという詭弁である。

これでは再雇用職員制度を設けた意味が無いということになる。

問題は、安全指導員とインドネシア代表の二人と、再雇用職員との間で、労働条件に差があるか否かである。

その説明を第2回団交では聞くことは出来なかったが、今後の説明次第では、差別待遇という問題が生じかねない。

海員組合には、従業員に対する説明責任がある。第2回交渉では回答を逃げ回るという極めて不誠実な団交を繰り広げたが、今後の交渉では通用せず、同じ態度を繰り返せば、新たな不当労働行為の火種となりかねない。

海員組合は、5月28日に行われる中労委における不当労働行為の再審査を意識しているのか、突如として第2回団体交渉を求めてきたが、開催することが目的となり、団体交渉で解決すべき事項について誠実に団交に臨んでいるとはとても思えない。

海員組合に、労働組合としての矜持があるならば、今後の団体交渉には、正々堂々の団交姿勢で臨むことを期待したい。