2015.09.02 安全保障法案
船員しんぶん8月25日号(第2778号)に、海員組合が完全敗訴した、偽計業務妨害裁判の控訴審判決について、記載が無かったことは、前回のブログ記事で触れた。

その8月25日号の一面で大きく取り上げられていたのは、8月15日に神戸の関西地方支部で行われた、戦没船員慰霊式典の模様である。

今、国民が最も関心を寄せているのは、参議院での採決が近いと言われている、安全保障法案であり、この記事の中に、それらに触れるものがあるかと思い、目を凝らしたが、記載は無かった。

森田保己組合長の挨拶が紹介されているが、その中でも全く触れられていない。

安倍政権が発足して以降の、わが国の安全保障政策の変化は、国民が敏感に感じていることだが、特に船員は、先の大戦の経験から、その動きになお一層の関心を寄せなければならないはずである。

森田保己組合長は、挨拶で、二度と戦争の悲劇を繰り返さないための活動に邁進すると述べているが、その実現に向けた具体的な活動については、全く触れていない。

海員組合も参加する、わが国最大の労働組織である連合は、国会前での集会を主催するなど、安全保障法案に対す態度は明確だ。

ところが、海員組合の安全保障法案に対する見解は、私が知り得る限り、全く表明されていないと思われる。

海員組合は、先の大戦で、6万609人の船員が犠牲になり、多くの民間船舶が徴用され失われた事実に対し、「海員不戦の誓い」のシンボルとして、「戦没した船と海員の資料館」を関西地方支部に設け、8月15日に慰霊式典を重ねてきた。

海員組合の活動方針では、毎年、「平和憲法を守れ」の合言葉を確認し、恒久平和を希求する活動を進めるとしてきた。

日頃は、「産別組織」を常套句とし、海上労働者のナショナルセンターを自負している海員組合が、いざという時に閉口しているのでは、組合員の信頼は得られないのではないか。

今こそ海員組合は、安全保障法案に対する態度を表明し、組合員を結集する活動を展開すべきではなかろうか。

組合指導部の仕事は、全国大会で決定した、活動方針を実現すること、それに尽きることぐらいは、理解していると思いたいが。




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2015.08.30 黒は黒
船員しんぶん8月25日号(第2778号)は、残念ながら8月5日に東京高裁が下した、偽計業務妨害裁判の控訴審判決について、全く触れていない。

予想は出来たものの、あまりにも見事に期待を裏切る、現在の海員組合指導部の姿勢には、驚きというか、恐れを知らないというか、形容のし難い気持ちを拭うことが出来ない。

こうしたことが起こるのは、現在の海員組合指導に問題があることは第一であるが、それを看過する、海員組合の組織的な問題が指摘されよう。

国レベルで考えれば、政府が違法行為行い、それを隠蔽していたとすると、その内閣は、一瞬で信を失い、総辞職に追い込まれるのは必定だ。

民間企業においても、取締役会が違法行為を行ったとすれば、その会社の評価は地に落ち、役員の間でもみ消しを図ったとしても、責任追及の声は、株主代表訴訟に発展し、その地位を維持することは不可能である。

ところが、海員組合では、数々の違法行為や、不当労働行為が重ねられているが、組織的に問題となることも無く、今日まで推移してきている。

これが正常だと感じている関係者は皆無であろうが、なぜ異常と思いながらも、声を発することなく放置しているのであろうか。

まず、主体である組合員は、情報がなければ、海員組合の指導部の行動を知ることさえできず、非難の道は、当然閉ざされることになる。

ここに上手に目を付けて、本来であれば伝えなければならない情報を遮断し、組合員の反応を完全封殺しているのが、今の海員組合指導部だ。

ところが、日々海上労働に励み、情報過疎にある組合員はコントロールできたとしても、海上労働から一時離れ、常時海員組合の活動に参加している職場委員や全国委員については、現在の情報化社会においては、情報遮断は困難と言えよう。

海員組合の執行部員も、海員組合の指導部の行動について、異常と感じながらも、人事における冷遇を怖れ閉口している者と、指導部の行動に全く問題意識を感じず、それに従っている者に大別されるのではないだろうか。

怖れるのは、後者の、何ら問題意識を感じない執行部員が増殖しているのではないかという危惧である。

その点については、海員組合との団体交渉における、海員組合側交渉委員の言動を通じて、強く感じられるのである。

他方、職場委員や全国員は、どうであろうか。

職場委員は、執行部員と違い、組合指導部の人事権の外に位置し、自由に発言が出来るはずであるが、執行部員と同じく、閉口を決め込んでいる。

閉口する理由については、いろいろ考えられるが、下手に口出しして、海員組合指導部の機嫌を損ね、余計な軋轢を起こしたくないと思っているからではないかと想像される。

そうすると、今の指導部は、違法行為について問題意識さえ芽生えない執行部員と、事なかれ主義の職場委員によって支えられていると言えなくもない。

仮に、そうだとすると、極めて恐ろしいことである。

黒は黒、白は白といえない世界に、未来があるとは、とても思えないが、どうであろうか。




2015.08.25 上告
昨日、偽計業務妨害裁判の控訴審判決で、一審に引き続き完敗した海員組合が、最高裁に上告及び上告受理申し立てをしたとの情報が入ってきた。

これで、この裁判の最終決着は、最高裁の判断を待たなければならなくなった。

控訴審判決において、このブログの記事やコメントについて、東京高裁は、「その重要な部分において真実であると認められる」と極めて明快に判示しており、事実関係については、もはや揺るぐことはなかろう。

そうすると、海員組合が最高裁に上告したのであれば、その理由として、憲法違反や判例違反があるなどと言うことについて、明快に主張できなければならないが、その壁はかなり高いことが想像される。

その点については、遅くとも10月中旬頃までには送付されてくるであろう、上告理由書や上告受理申立理由書の記載内容を待たなければ、推測の域を出ることはできない。

すでに海員組合は、私との間で多数の裁判を争ってきたが、その殆どと言っても過言ではないくらいに、敗訴を繰り返し、その中には、長い時間を費やし、最高裁の決定でようやく敗訴が確定した、不当解雇事件や統制処分無効事件も含まれている。

従って、海員組合は、すでに最高裁の壁についての認識は十分得ているものと思っていたが、そうでは無かったようである。

裁判をする権利は、憲法で保障されており、上訴することを非難することは出来ないが、明らかに時間稼ぎと思わざるを得ないケースについては、不快感を禁じることは出来ない。

海員組合が上告を行った理由は、控訴審判決で完敗したことを不服としたものであることは理解できるが、その他に、当然のことではあるが、最高裁の決定が出るまでは、控訴審判決が確定しないという、時間の効果が生まれる。

この裁判を海員組合が提起したのは、2年以上も前の、平成25年6月28日、その直後に発行された、船員しんぶん(第2710号、平成25年7月5日号発行)には、「偽計業務妨害で北山等氏を告発」「損害賠償金1億円請求」などと大きく一面で報じた。

そうすると、海員組合が上告せずに控訴審判決が確定してしまうと、「偽計業務妨害裁判で海員組合完全敗訴」「多額の訴訟費用を費やす」とでも題した、船員しんぶんを発行しなければならなくなることになる。

少なくとも、今年の全国大会までに、最高裁の決定が下されることは想像し難いことから、組合指導部が、全国大会において、代議員から厳しい追及があったとしても、「最高裁に上告中」との申し開きが可能になる。

まさか、そこまで姑息で狡猾な考えを持っているとは考えたくはないが、本日(8月25日)発行予定の「船員しんぶん」に、控訴審判決が、どのような形で、組合員に報告されるか、大いに注目したい。

まさか、控訴審判決について、一切触れていないとしたら、指導部に対する不信は、ますます深まることになるであろう。


8月5日に、偽計業務妨害裁判の控訴審判決が下されてから、2週間が過ぎた。

このブログが、名誉棄損や業務妨害に当たるとして、海員組合が1億円の損害賠償を私に求めた裁判であるが、東京高裁は、海員組合の主張を全面的に退け、一審判決に続き、控訴審においても海員組合の全面敗訴となった。

わが国は、三審制であるため、海員組合には最高裁へ上告する道が、まだ残されている。

上告は、控訴審判決から2週間以内に申し立てることになっているが、海員組合が上告したか否かは、東京高裁からの連絡を待たなければならない。

今回の控訴審判決は、いろいろな事件に影響することになる。

その一つが、私の再雇用契約更新拒絶は、労働組合を結成したことの故をもって行なわれたなどの、不当労働行為であるとして、海員労組が、石川県労働委員会に対し、不当労働行為救済命令の申し立てを行っている事件である。

海員労組の申し立てに対し海員組合は、海員労組の申立は、そもそも申立権の濫用であるとして却下を求めるもとともに、仮に申立が認められるとしても、このブログの違法性が最大の争点であると主張している。

従って、申立権濫用の主張を論外とすると、海員組合の主張の中心は、このブログの違法性に絞られることになる。

この点について、8月5日の控訴審判決は、このブログに記載されたものは、その重要な部分において真実であると認められるとし、海員組合の主張を全面的に退けてしまった。

こうなると、石川県労働委員会における海員組合の主張は、8月5日の控訴審判決により、その骨組みが崩れ去ったと言えるのではないだろうか。

石川県労働委員会の第4回調査は、9月14日午後1時30分から予定されているが、7月21日に行われた第3回調査において、労働委員会が海員組合に対し、証拠として提出を求めたブログ記事は、1ヶ月が経つが、未だに提出されていない。

海員労組としては、海員組合の主張を立証するブログ記事が提出されなければ、それらに対する反論が出来ず、当惑しているというのが現状だ。

8月5日の控訴審判決の影響により、海員組合が、これまでの主張を大きく変更せざるを得なくなり、証拠提出が遅延しているのか、今しばらく様子を窺いたい。




8月7日(金)午後1時10分から、団交拒否訴訟の第1回が、東京地裁619号法廷で開かれた。

この裁判の原告は海員労組、被告は海員組合田中伸一(副組合長)氏である。

海員労組は、被告らによる次の行為により、損害を被ったとして、損害賠償を求めている。

①海員労組が海員組合に対して申し入れた団体交渉を海員組合が正当な理由なく拒否し続けたこと(団交拒否

②当初の申入れから約9か月後に開催された第1回団体交渉において、交渉委員を務めた田中伸一(副組合長)氏が、不誠実な態度で交渉したこと(不誠実団交

③第1回団体交渉において、田中伸一氏が、海員労組の法適合性を疑ったり、執拗に原告の組合員の構成を質したり、海員労組が私怨に基づいて結成され活動していると発言したこと(支配介入発言

この日は第1回裁判のため、訴状と、被告からの答弁書の陳述が確認されるにとどまり、本格的には、次回からとなった。

裁判所は、次回期日を弁論準備手続きで進行することを述べたが、当方は、支援者が傍聴していることから、公開法廷での審理を強く要請した。

その結果、次回については、今回と同じく公開法廷で行われることになり、次の日程となった。

第2回団交拒否等損害賠償訴訟
 日 時:平成27年10月16日(金) 午後1時30分
 場 所:東京地方裁判所 619号法廷

10月16日は、再雇用拒絶訴訟の証人尋問が、午後2時から、521号法廷で行われることになっており、奇しくも連チャンとなってしまった。

海員組合側が提出した答弁書によれば、団交拒否について、争う姿勢を示している。

海員組合は、6月15日に交付された中央労働委員会の不当労働行為救済命令について、これを受け入れ、すでに命令を履行している。

海員組合が、団交拒否について争うのであれば、中労委の命令の取り消しを求める行政訴訟を提起すべきと思われるが、海員組合はその道を選択していない。

労働委員会では団交拒否を認めておきながら、本件の損害賠償訴訟になると、一転して争う姿勢を示していることに、どのような判断があるのか、今後の海員組合の主張が注目される。

7月29日に行われた第4回団体交渉の席において、海員労組は、海員組合側に対し、不当労働行為を行った事実が確定したことを受け、謝罪を求めた。

ところが、勘場賢次総務局長は、中労委命令は履行したと述べるにとどめ、遂に謝罪の言葉を口にすることは無かった。

こうした姿勢が、この裁判にも影響するのか、危惧されるところだ。

コンプライアンスと、それに対する誠実な姿勢が伴わないようでは、真の問題解決は望むべきもない。