海員組合の機関誌「海員」1月号に目を通すことができた。

1月号は、例年、全国大会の特集をするため、全国大会の議事内容や雰囲気を知る上で、多くの組合関係者が高い関心を寄せている。

今年の1月号も昨年11月に開催された第75回定期全国大会の特集号である。
全カラー刷りで、数多くの写真が散りばめられ、ぱっと見は、なかなか立派な体裁である。

全国大会開会の挨拶に立った大内教正組合長は、初代組合長の遺した「声よりも力、外観より内容」との言葉を紹介し挨拶を締めくくっている。

まさしく今の海員組合の指導部をはじめ執行部員が胸に刻まなければならない言葉である。

組合長の挨拶に期待し、全国大会が内容充実したものとなったか、一月号に目を走らせた。

4日間開かれる全国大会初日の午前は、来賓挨拶などの開会セレモニーが続き、実質論議は午後からとなる。

最初の議題は活動報告とその審議である。
田中伸一副組合長が過去一年間の活動報告を行い、続いてその審議が行われるのだが、今年の場合は、その前に協和海運の組合員の紹介と激励が行われた。

協和海運の組合員11名が、全国大会に参加しお礼を述べ激励されたことが、大きな写真とともに掲載され、海員組合がこの問題をいかに重視しているかが感じ取れる、なかなかの演出である。

これまで協和海運問題は、労使紛争に至った経緯や抗議行動の模様については、幾度か機関紙に紹介されたが、現在進行している労働委員会や訴訟については全く情報が流されていないことから、大会論議の中でも注目する点である。

田中伸一副組合長が行った活動報告の中に協和海運問題は触れられていたものの簡潔なもので、審議が始まると、早速代議員からの発言があった。

「船員しんぶん」に訴訟等の進展状況をもう少し詳細に掲載を希望する意見である。

これに対する田中伸一副組合長の答弁がいただけない。
田中伸一副組合長は、協和海運問題の状況については、都度開示しているとし、裁判の中でどういう準備書面を出すかといったことなどを機関紙に開示することはあり得ないと述べるとともに、意図的に何かを隠すことはないと回答した。

確かに、裁判の準備書面を機関紙にすべて掲載するということはあり得ないであろう。
質問者の発言の意図は、裁判や労働委員会の進行状況や今後の見通しであり、組合側の手の内を明かせなどとは言っていないことは容易に理解できそうなものだ。

田中伸一副組合長は「都度開示している」と回答したが、組合が横浜地裁に申立てた仮処分命令申立が却下されたという重大な事実は、未だに機関紙には掲載されていない。

2日目の活動方針の審議においても、真っ先に出た発言が、協和海運問題であり、情報公開を行い広く問題意識を共有すべきとの意見である。

これに対しては最初に平岡英彦中央執行委員が答弁に立ったが、訴訟や労働委員会の進展状況には一切触れず、続いて立った田中伸一副組合長も、活動報告における答弁とほぼ同様の発言を繰り返すだけであった。

ところが大会3日目の国内部委員会では、「協和海運および新協和海運の不当労働行為事件」のタイトルで、これまでより少し詳しく報告されたのである。

それによれば、新協和海運を相手として横浜地裁に申し立てた地異保全等仮処分申立については、昨年7月28日に却下され、8月1日に東京高裁に対し、仮処分申立の却下決定に対する即時抗告の申立てを行ったこと。

神奈川県労働委員会に対する不当労働行為救済申立てについては、協和海運、新協和海運それぞれに対し、不当労働行為の申立てを行っていたが、10月20日に開催された調査で、今後両事件は併合され調査が進められることになったことが報告されていた。

どうして全国大会本会議では具体的な報告を避け、外航部門や水産部門の全国委員が参加しない国内部委員会で報告するのであろうか。

協和海運問題は、海員組合の総力をあげて闘うと明言しており、これくらいの事実関係は、本会議で披露し、組織全体で情報共有すべきと思われるところ、そこには何らかの事情や思惑があるのだろうか。

今後は、特別抗告の結果や、併合後の労働委員会の経過について、田中伸一副組合長の答弁通り、船員しんぶん紙上で都度開示されることを期待したい。

津軽海峡フェリー問題では、労働委員会の経過が詳しく船員しんぶんに都度掲載された。それと同じような報告を組合員は求めているだけなのである。

大内組合長が挨拶で紹介した「声よりも力、外観よりも内容」との先人の教えが、「力よりも声、内容よりも外観」とならないように願いたいものである。



1月15日に判決が下った偽計業妨害裁判の判決文をお知らせします。

    判決文

裁判所が、原告である海員組合をどのように見ているか、良く分かる判決となっている。




1月15日(木)午後1時15分から、東京地裁第411号法廷において、このブログが偽計業務妨害であるとして、海員組合が私に1億円の損害賠償を求めた裁判の判決言い渡しがあった。

判決は、海員組合の請求を棄却するものであり、海員組合は敗訴、私が勝利の判決を手にすることができた。

平成25年6月28日に海員組合が提訴して以来、約1年7カ月の長期裁判となったが、このブログの読者、海員労組のメンバー、裁判の傍聴に熱心に参加して下さった方々をはじめ、多くの支えにより勝利できたものと心より感謝申し上げたい。

この裁判は、1億円という途方もない請求額に目を奪われがちであるが、本質は、ブログという情報伝達手段を通じての表現の自由を争ったものである。

具体的には、このブログに掲載されたブログ本文と投稿されたコメントの内容が名誉棄損にあたるかが問題とされた。

裁判所は、海員組合が違法であると提示した、ブログ本文10件、コメント131件、合計141件すべてについて個別に審査し、すべてについて違法性はないとするパーフェクトの判決を下した。

とは言え裁判所は、やや過激な表現や、品位を欠く表現が含まれていると指摘し、節度を持った意見表明が望まれると述べている。

今後、このブログにコメントを寄せられる際には、このブログの目的が海員組合の再生を目指すものであることをご理解いただき、裁判所の指摘を踏まえ、節度を持った表現にご協力をお願いしたい。

一方、この裁判が訴権の濫用であり、船員しんぶんで「偽計業務妨害で北山等氏を告発」などの見出しの記事を掲載したことが名誉棄損にあたるとして私が反訴していたが、これについても棄却の判決となった。

極めて残念な結果であるが、今後どのように対応するか、判決内容を十分検討し判断して行きたいと考えている。

判決内容の詳細については、別の機会にお知らせする予定であるが、54頁にも及ぶものであることから、少しの時間猶予を頂きたい。

今回の判決は、結果的に、このブログが適法に運営されていることが判断されたことになり、「海員組合の再生」という目標に向け、さらに情報発信に努めて参りますので、引き続き、ご支援ご協力をよろしくお願いいたします。



2015年最初の船員しんぶん1月5日号(第2757号)は、珍しく発行日と同じ日にホームページにアップされた。

一面は組合長と全国海友婦人会会長の新年のあいさつである。

組合長のあいさつは、全国大会で決定された活動方針の具現化を目指すとの平凡な内容で、船員の後継者確保などの具体的課題をいくつか挙げ、その中で組合として絶対に看過できない問題として、組合員に対する不当労働行為や不当解雇を述べている。

確かに普通の労働組合であれば、不当労働行為や不当解雇を看過することなど絶対あり得ないのであるが、海員組合の場合は、いささか事情が異なることを組合長は念頭に置いていないのであろうか。

これまで海員組合は、私に対する不当解雇をはじめ、組合従業員に対する人事権の濫用を行い、それらは訴訟で敗訴を続けるとともに、現在においても係争している事件を複数抱える始末だ。

不当労働行為にいたっては、昨年6月、労働組合である海員組合に対し、東京都労働委員会が不当労働行為救済命令書を交付するという前代未聞の出来事が起きている。

都労委命令を不服とした海員組合は中央労働委員会に再審査申立てをしたが、その判断は、間もなく下される予定だ。

さらに海員組合は、石川県労働委員会においても不当労働行為救済命令の交付を申立てられ、これについても本年2月上旬に命令が示されることになっているのである。

就任したての組合長が、新年のあいさつで、不当労働行為や不当解雇を看過しないと大見得を切りたい気持ちは解らぬわけではないが、是非これまでの海員組合の所業を振り帰ってもらいたいと思うのは私だけではあるまい。

不当労働行為や不当解雇を看過しないと発言する背景には、協和海運問題を意識していると推測されるが、そうであれば、機関紙を通じて協和海運問題の経過について、詳しく組合員に報告しなければ、大見得の意味は届かないのではなかろうか。

残念ながら、新体制に移行しても、自らの不当労働行為や不当解雇については触れることなく、これまで同様、不都合な事実は隠蔽しようとする姿勢は変わっていないようである。

しかし、高度な情報化社会に変貌した現代においては、そろそろ耐えられなくなるのではなかろうか。

これから続々と司法の判断や、労働委員会の命令が下されるが、このブログでは、それらの事実について、正しく情報提供し続けていきたい。

まずは、明日(1月15日)下される偽計業務妨害裁判の判決が本年のスタートとなる。


偽計業務裁判の日時と場所は以下の通り。

日時:1月15日(木)午後1時15分
場所:東京地裁第411号法廷




昨年12月22日付のこのブログで、11月上旬に開催された全国大会直後の組合人事が、船員しんぶんに掲載されていないことを指摘した。

もしかして海員組合がホームページにアップしていない船員しんぶん第2754号に掲載されているのではと思い目を通したところ、やはり載っていなかったが、おかしな記事を見つけ首を傾げてしまった。

それは5面に掲載されている全国大会水産部委員会の記事で、近インドネシア代表部代表兼水産部部長代理が水産部の主要活動について報告を行ったという記事だ。

私の記憶が正しければ、近氏は昨年10月末で定年年齢である60歳に達していると思われ、そうすると執行部員の身分ではないため全国大会には参加できないはずである。

執行部員が定年退職後、継続して海員組合で働くには、私と同じように再雇用職員として採用され賛助組合員にならなければならない。

海員組合は、私との間で争っている裁判において、賛助組合員は組合活動や労働運動に直接携わることは想定されていないと主張しており、これが事実だとすればダブルスタンダードということになり、裁判への影響も考えられる。

それとも人事政策を大きく変更し、再雇用職員も執行部員と同様に組合員とし、組合活動の第一線で活躍できるようにしたのであろうか。

そうであれば大歓迎であるが、近氏の人事が明るみに出ると不都合なため全国大会直後の人事を機関紙に掲載していないとすると、極めて重大な問題ということになる。

海員組合は驚くほどの人材不足に陥っている。

私が役員をしていた頃は150名前後いた執行部員は、今や90名程度に極端に減少し、支部機関では、支部長が他の支部長を兼務しているところまで現れる始末だ。

この窮状を脱するためなのか、最近の人事で賛助組合員である先任事務職員を執行部員に身分を変更させ、地方の支部に配置する例が見られる。

これまで執行部員は、海上労働の経験を持つ現場組合員の中から選抜されるのが原則であったが、人手不足を理由に一般大学を卒業し直接海員組合に採用された事務職員を執行部員にシフトすることが続くことになると、海上労働の経験や知識の違いが問題となることが危惧される。

そう言えば近氏はインドネシア代表部代表兼水産部長代理の前は、水産部長兼インドネシア代表部代表であり、現在の水産部長は全国大会で中央執行員に選ばれ総務局長となった勘場賢次氏が就いている。

総務局長が水産部長を兼務するという人事は極めて異例であり、幹部人事まで人材不足が波及していることを窺わせるものとなっている。

海員組合は、人が集まり団結する労働組合であり、そのリーダーを担う執行部員の数や配置はパワーを表すインジケーターである。

その重要な執行部員の人事について、一日も早く組合員にすべてを公開し、得心が行く説明をしてもらいたいものである。