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7月21日の投票日に向け、参議院議員選挙が展開されている。

報道によれば、争点は、憲法、消費税、年金、安全保障、教育子育て、原発等が大きなものとしてクローズアップされている。

海員組合においては、今次の参議院選挙に、比例区4名、選挙区10名、計14名の組合推薦候補者を立てている。

船員しんぶんには、それぞれの顔写真とともに、氏名、年齢、政党名と現職か新人かが記載されているのみで、プロフィールや政策などの記載は全く無い。

比例区では、自民党、公明党、国民民主党、社会民主党の候補者4名を推薦している。

地方区では、10の選挙区に、自民党1名、公明党2名、立憲民主党2名、国民民主党3名、無所属2名が推薦候補となっている。

地方区で驚くのは、立憲民主党や国民民主党などの野党候補者が立候補しているにもかかわらず、与党である自民党と公明党の候補者を海員組合が推薦していることだ。

比例区においても、与党と野党の推薦は2名ずつとなっており、海員組合のこの選挙に向き合う姿勢が全く理解できない。

おそらく、海運や船員政策に理解を示し、海員組合に協力的であることを推薦理由と言い訳するであろうがそれで良いのであろうか。

海員組合は、海の平和を希求すると声高らかに叫ぶが、それを実現するのが政治であり、その政治を厳しく制するのが憲法だ。

その憲法が、この参議院議員選挙の争点の一つとなり、憲法改正の発議ができる3分の2の勢力を与党が占めるかが大きく注目されている。

各党の憲法に対する見解が大きく異なる中で、海員組合の憲法に対する姿勢は示されず、組合員はどの党を選択すればよいのか、困惑するはずである。

もう一つ目に付くのは、与党である自民党と公明党の推薦候補者5名のうち公明党が3名もいることだ。

それも、愛知と兵庫の地方区に公明党の新人候補を推薦している。

野党候補を推薦せず、新人の公明党候補を推薦した理由を明らかにしなければ、公明党の支持者以外は不信を募らせるのではないだろうか。

今回の海員組合の推薦候補者14名を見る限り、感じるのは政治に対する風見鶏的体質だ。

申し入れ文書を受け取ってくれて、一緒に写真に納まり、船員しんぶんの記事となることが労働組合の政治活動と信じているのであればどうしようもない。

憲法の行方次第では、ホルムズ海峡を日夜航行する組合員の安全が、大きく変貌することを肝に銘じ、海員組合は参議院議員選挙に取り組むべきである。







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いつも遅れに遅れて発行される船員しんぶんだが、ご多分に漏れず6月15日号も最近ようやく配布される始末だ。

その1面は、「ホルムズ海峡付近を航行する船舶・船員の安全確保等を求め国土交通大臣へ申し入れ」の大見出し。

要請した内容は、早急な情報開示、官民連絡会議の設置、船舶と船員の安全確保の3点だという。

ここで驚いたのは、官民連絡会議が設置されておらず、慌てて設置を海員組合が国土交通省に申し入れていることだ。

イランイラク戦争当時から、外務省、国土交通省、防衛省、日本船主協会、海員組合で構成する官民連絡会議は設置され、防衛機密に属する情報も共有しながら、航行船舶と乗組員の安全確保を図ってきた。

その後の中東情勢も、湾岸戦争やイエメン内乱などと続き、最近ではイランと米国が一触即発の危機に瀕するなど、一時も安定した時期はなかったはずであり、いつ官民連絡会議が無くなってしまったのか、驚くしかない。

官民連絡会議が常設されていれば、直ちに関係者が集結し、情報共有が図られ、それに基づき、海員組合は、組合員を危険な海域に就航させるか否かを判断してきたのだ。

要請内容の第一番が、早急な情報開示となっているが、官民連絡会議が機能していれば、このようなことを海事局長レベルに組合長が格好をつけて誇らしげに申し入れする必要もない。

加えて、3番目が船舶と船員の安全確保だとなっているが、これがいの一番ではないのか。

この記事から感じられるのは、いざという時に、海員組合の組合長の指令の下、ペルシャ湾への入湾を拒否するという覚悟が微塵も感じられないことだ。

組合員は、会社からの指示に従うのは当然だが、こと自らの命を守ることについては別で、それを実現するために、海員組合が先頭に立つ必要があるのだ。

今の指導部になってからは、政策課題の実現のための具体的活動は鳴りを潜め、全国大会の決定事項を職場委員と共に申し入れする写真付き記事を船員しんぶんに掲載することが活動と勘違いしているのではないだろうか。

組合員の命に係わる今回の事件を、遅れて発行された船員しんぶんの記事のようなことだけで済まされては、組合員はたまったものではない。

こういう時の海員組合であることを想起し、組合員の命を守ってもらいたい。






2019.06.22 ホルムズ海峡
6月13日に、国華産業の「コクカ・カレイジャス」とノルウェー船社所有のタンカーが、ペルシャ湾口のホルムズ海峡付近で攻撃されてから1週間以上が過ぎた。

イランを犯人と名指しするアメリカ、これに反発するイランという構図は、イランの革命防衛隊によるアメリカの無人偵察機撃墜にエスカレートし、危険な状況が続いている。

この間、当該企業や大手船社、さらには経産省や国交省などの政府関係からの情報が伝えられてきた。

ところが、船員を代表する海員組合からの情報発信には、お目にかかっていない。

幸いにも、人命にかかわるような被害はなかったと報道されているが、今も多くの船員が恐怖に怯えながらホルムズ海峡を通航しているという現実に対し、何も発信しないのか。

こういう時は、海員組合のホームページを開くが、やはり何も書かれていない。

ホームページのトップには、3年以上前の民間船員を予備自衛官補にすることに反対する記者会見が今も掲載され、今年に入ってのものは、何一つない。

こういう時のためのホームページではないかと思うのだが、組合員やその家族のことは頭の中にないということなのか。

ITF(国際運輸労連)のホームページを開くと、今回の事件についての記事が掲載され、ITF船員部長と、国際船員協会会長のコメントがある。

「コクカ・カレイジャス」の乗組員が、海員組合の非居住特別組合員であるという事実でさえ、海員組合は把握していないということなのか。

今からでも記者会見を開き、海員組合の立場を社会に明らかにし、組合員やその家族に安心を与えるべきではないだろうか。

過去のイラン・イラク戦争や湾岸戦争など、ペルシャ湾を巡っては、厳しい経験を海員組合は重ねてきた。

船社は営利に目先が、政府は日本のエネルギー確保に目先が走ることは、これまでの経験から明らかであり、このような状況下で、乗組員の安全対策を最優先に考えるのは、労働組合である海員組合だけであった。

いざとなれば、海員組合が乗組員に指令を出し、ペルシャ湾への入湾を拒否しなければならないのだ。

平和の海を希求するという日頃の海員組合の主張は、今回のような事件に厳しく誠実に対応することにより、社会に受け止められるのではないだろうか。






かき養殖に従事する技能実習生が海員組合の非居住特別組合員になっていることは、海員組合の活動報告で明らかとなっている。

ところで、技能実習生は日本に居住しているにもかかわらず、なぜか海員組合は「非居住」特別組合員としているのである。

基本的な問題として、かき養殖技能実習生は、わが国の労働関係法令の適用を受けるのであろうか。

厚生労働省は、技能実習生は入国1年目から労働基準法上の労働者として、労働基準関係法令の適用を受けるとしている。

当然、不当労働行為の禁止を定めている労働組合法の適用も受けることになる。

そうすると、日本人労働者と差別されることはないということになる。

労働組合法第5条第2項第3号は、労働組合の組合員は、その労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱を受ける権利を有すると定めている。

この条文からすると、日本人組合員と日本に居住する非居住特別組合員を差別的に扱うことはできないことになる。

しかし、海員組合は、かき養殖技能実習生に、一般組合員と同等の権利を認めていない。

非居住特別組合員には、一般組合員に認められている、組合の会議に参加し自由に発言することや、苦情を申し立てること、組合役員に立候補することなど、基本的な権利が制限されているのだ。

こうした扱いは、明らかに労働組合法に抵触するのではないだろうか。

以前、静岡地区の組合員有志が、当時行われていた全国委員の代表指名制度や、組合役員選挙を直接無記名方式で行っていないことを問題提起したところ、後に分かったのだが、中央労働委員会や厚生労働省からも指摘されていたため、慌てて規約改正を行い、取り繕ったことがあった。

海員組合の規約が、労働組合法に抵触しているとなると、中央労働委員会から、労働組合の資格認定を受けられなくなるからだ。

労働組合の資格認定を受けられないと、海員組合は法人格を失い、保有する莫大な財産は没収され、海員組合は崩壊の危機に直面することになってしまうのだ。

かき養殖技能実習生を、甘く見ていると、大変なことになると危惧するが、どうであろうか。





技能実習生として来日していたインドネシア人の男性が、日本語能力が不十分であるとの理由で帰国させられたのは不当だとして、管理団体などを相手に損害賠償を求める裁判を起こしたとのニュースが先週報じられた。

訴えられたのは、広島市安芸区にある管理団体の「中亜国際協同組合」と、かき牡蠣養殖業の「マルコ水産」。

訴えたのは、リキ・アムールさんで、支払われるはずだった賃金や慰謝料など700万円を請求したとのことだ。

広島は、かきの養殖が盛んで、水揚げ量は日本一を誇っているが、それに従事する労働力は、外国人技能実習生に依存しているのが実態だ。

この技能実習生について、海員組合が非居住特別組合員として組織していることが活動報告書に記載されている。

中四国地方支部の活動報告には、次のような記述がある。

広島県かき養殖技能実習生および岡山県かき養殖技能実習生については、労働者保護の観点で管理団体と労働協約を締結し、非居住特別組合員としている。
支部は、実習生保護と地区漁業の維持・発展に向け、適切な制度順守と履行が行われるよう地域管理委員会において定例会議を行っている。


誠に立派な活動をしているようなことが書かれているが、具体的なことは全く触れられていない。

この記述からすれば、今回の「中亜国際協同組合」との間で、労働協約が結ばれているものと思われるが、そうであれば、海員組合が実習生保護のため、取り組まなければならない問題ということになる。

しかし、海員組合の存在は、どのニュースにも現れていないのは何故なのか不思議である。

少なくとも、海員組合は、今回の事件に対する見解を発信すべきである。

そして定例で行われているという地域管理委員会を開催し、問題解決に取り組まなければならない。

一方、技能実習制度は、送り出す国側にも大きな問題があるといわれているが、カキ養殖に従事する技能実習生の多くは、今回のインドネシアや、中国、ベトナムからである。

幸運にも、海員組合はこの三か国に代表部を置き、執行部員を配置しているのだ。

一部から聞こえてくる、海員組合はカキ養殖技能実習生を非居住特別組合員として組合費を徴収しながら、サービスを疎かにしているという声を一掃するには、良いチャンスである。

中四国地方支部とインドネシア代表部との見事な連携により、リキ・アムールさんの権利が守られたとのニュースが、一日も早く聞けるよう期待したい。

海員組合、出番ですよ!