協和海運との裁判で、組合員11名が勝訴したことを伝える、8月5日付の船員しんぶんをよく見ると、面白いことに気付く。

一面に掲載されている2枚の写真は、抗議行動を写しているものだが、下段に掲載された写真には、「横浜港の水先人が運営する協和海運の不当労働行為は絶対に許さない!」と書かれたプラカードが、街宣車の屋根に載っていることが確認できる。

これまで、協和海運問題で、「横浜港の水先人」の話題は、取り上げられてこなかったのではないかと思うが、実際の抗議行動では、大きく前面に掲げていることが分かる。

わざわざ「横浜港の水先人」と「不当労働行為」を赤字としたのには、大きな意味があるからであろう。

海員組合の認識では、協和海運は、横浜港の水先人が運営し、新協和海運は、ダイトーコーポレーションが株主であるということだ。

これから読みとれるのは、「横浜港の水先人」が海員組合からの脱組織を図るために行ったと見るのが自然だ。

そうであれば、この問題の主役は、「横浜港の水先人」ということになる。

新協和海運の株主であるダイトーコーポレーション前の抗議行動は、何回か船員しんぶんに掲載されている。

しかし、海員組合が「横浜港の水先人」に対し、抗議活動を行ったという情報は耳にしていない。

何故なのであろうか。

横浜港の水先人」と海員組合は、何かしらの手打ちが出来ているということなのであろうか。

もう一つ目を疑うのは、「不当労働行為は絶対許さない!」と書かれていることだ。

よくもまあ、不当労働行為を重ねている海員組合が、臆面もなく書けるものだと驚く。

事情を知る者からの嘲笑が聞こえないのであろうか。

石川県労働委員会で審査されている、不誠実団交不当労働行為事件の命令交付が、8月末に予定されている。

それでも海員組合は、「不当労働行為は絶対許さない!」と天に向かって唾を吐くのであろうか。








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横浜地裁で争われていた協和海運との裁判は、11名の組合員の完全勝利の一審判決が下った。

想像を超える厳しい闘いを耐え抜いた11名の組合員の頑張りに改めて敬意を表したい。

現在のところ、情報は、船員しんぶんだけであり、会社側が控訴したのか否かは、判明していないが、正常な労使関係構築のため、会社側が控訴を断念するとともに、関連する争いも収束させることを期待したい。

今回の裁判の中で、会社側の不当労働行為が認定され、次のよう船員しんぶんは報じている。

「協和海運が組合員に対し、本組合からの脱退を勧奨した行為ならびに脱退を拒否した11名を新協和海運に推薦せず、退職金の割増分を支払わなかったことは組合嫌悪の意思に基づく行為であり、組合の団結権を侵害するとともに、組合に加入していることを理由とする不利益扱いであると認定した。」

海員組合は、労働組合でありながら、驚くことに不当労働行為を重ねていることは、海運界、労働界等では知らない者はいないが、その海員組合が、会社側の不当労働行為について、これほど勝ち誇ることに違和感を禁じ得ない。

自らの不当労働行為を棚に上げ、正常な労働組合を気取った海員組合の振舞いは、関係者にはどのように映っているのであろうか。

海員労組は、結成以降、数々の不当労働行為を海員組合から強いられてきたが、その根源は組合嫌悪だ。

海員組合は、協和海運の組合嫌悪には、これほど厳しい姿勢を示しながら、海員組合の従業員の結成した労働組合には、協和海運と同様に嫌悪しているという構図だ。

こうした海員組合の姿勢は、社会から容認されることは無いであろう。

労働組合であろうとも、コンプライアンスが欠如していれば、その存在に疑念が生じる。

協和海運問題は、着実に完全勝利に向かっていることは誠に喜ばしいが、11名の組合員が所属している労働組合が、海員組合であるとすると、手厳しい評価が付きまとうことは避けられない。

それでは、11名の組合員の労苦に水を差すことになる。

協和海運問題の解決は、11名の組合員の完全復職を達成することは勿論のこと、海員組合が、まともな労働組合に再生しなければ、完全に達成したとは言えないのではないだろうか。







船員しんぶん8月5日号の一面は、横浜地裁で争われていた、海員組合と協和海運及び新協和海運との間の裁判の一審判決について報じている。

判決要旨は、次の通り。

(1)組合員11名が新協和海運に対し雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

(2)新協和海運は、組合員11名に対し、平成26年3月から本判決確定の日まで、未払い賃金を支払え。

(3)協和海運とその役員、ならびに新協和海運は、組合員11名および組合に対し、連帯して損害賠償金を支払え。

この判決は、11名の組合員の全面勝訴と言えよう。

11名の組合員の方々に祝福のエールを送るとともに、ご家族と共に味わった筆舌に尽くしがたい労苦が、この判決により、幾何か癒されたものと、共に喜びたい。

これまで会社側は、神奈川県労働委員会が下した不当労働行為救済命令を不服として、中央労働委員会に再審査申立を行い争っていることから、今回の判決を受け入れず、控訴することが危惧される。

しかし、神奈川県労働委員会の初審命令、東京高裁の仮処分命令、そして今回の判決から、とても会社側が控訴審で一審判決を覆すことが出来るとは考えられない。

協和海運及び新協和海運に対し、これ以上、11名の組合員の働く権利を奪い、家族に厳しい生活を強いることを止めるように強く訴えたい。

民事訴訟の控訴期限は、判決書の送達を受けてから2週間以内とされている。

一審判決が7月26日に下されたことからすれば、今日あたりには、控訴したか否かが判明することになる。

この問題は、海員組合が掲げるように、組織の総力を挙げなればならない問題であり、引き続き機関紙に詳細について報告することを求めたい。

今回の判決に関連して、幾つか気になるところがあり、その一つがダイトーコーポレーションだ。

これまで海員組合は、ダイトーコーポレーションに対し、株主責任を求め街宣活動などを行ってきたが、その現状はどうなっているかである。

もう一つは、判決で言い渡された、損害賠償金の具体的な金額である。

海員組合が、組織の総力を挙げるということは、訴訟費用を組合費の中から支出するということも含まれており、その金額と損害賠償金の額について説明が必要だ。

船員しんぶんが報じるこの問題について、まだまだ不明な点が多々ある。

これを払拭するため、今回の判決文の全文を、船員しんぶん号外として発行してはどうだろうか。

さすれば、名実ともに組織の総力を挙げているとの組合員からの評価は高まろう。








8月4日(金)午後2時から、東京芝公園にある、中央労働委員会において、海員労組が申し立てた、不当労働行為再審査申立事件の、第2回調査が行われた。

申立人である海員労組側は、代理人弁護士1人に代表者である私と、補佐人2名の計4名で参加した。

これに対し海員組合側は、この事件の代理人弁護士10名の内、海員組合の法律顧問である田川俊一、大熊政一、北新居良雄各弁護士、さらに3名の弁護士が参加、弁護士だけでも6名という手厚い陣容。

さらに、海員組合から、松浦満晴副組合長、鈴木順三総務局長他4名が参加し、総勢10名の大所帯であった。

審問は、大きなテーブルに並ぶ審査委員3名の前に、海員労組と海員組合が3名ずつ並んで、残りはその後ろの椅子に着席して始められた。

最初に、出席者の確認と、前回以降、双方が提出した書面の確認が行われ、その後、それぞれが個別で調査を受けることになった。

まず最初に、海員労組側が行われ、この事件に関することに加え、これまでの労使紛争の実情や問題点について、約30分にわたり聞き取りが行われた。

続いて海員組合側に対する調査が、約50分行われ、最後に、双方が再度一堂に会し、次回日程を確認して終了した。

この事件は、海員労組と海員組合との間で行われた、第2回団体交渉(平成27年4月10日)、第3回団体交渉(平成27年5月20日)、及び第4回団体交渉(平成27年7月29日)において、①再雇用職員規定と期末手当、②組合従業員規定の労働基準監督署への届出の二つの交渉事項について、海員組合の交渉態度が不誠実なものであったため、誠実に団体交渉に応じるよう、石川県労働委員会に不当労働行為救済命令を求めたことに始まる。

石川県労働委員会は、海員組合の不当労働行為を認定し、本年1月11日に、不当労働行為救済命令を交付した。

しかし、海員労組が求めていた救済内容の一部が、認められなかったことから、本年1月18日、中央労働委員会に対し、再審査を申し立て、今回を含め、2回の調査が行われている。

海員労組が認めがたいと判断したのは、再雇用職員の期末手当に関するもで、海員組合は、再雇用職員の期末手当を不支給とした理由について、「就業体系の違い」と「東日本大震災における財政的問題」の2点を団体交渉で挙げた。

「東日本大震災における財政的問題」についての海員組合の対応は、石川県労働委員会において、不当労働行為と認定されたが、「就業体系の違い」については、不当労働行為とはされなかった。

海員労組は、再雇用職員の期末手当を一方的に不支給としたことは、大幅な不利益変更であるとして、撤回を求めたが、海員組合は、合理的な論拠を示すことなく、「不利益変更ではない」と強弁し続け、「就業体系の違い」について具体的説明を求めると、「それは個別の契約」と言い逃れてきた。

期末手当は、年収の3割を占める重要な賃金であり、理由を示すことなく「不利益変更ではない」を繰り返せば不支給とすることが出来るなどとは到底許されない。

それを労働組合である海員組合が、真顔で言っているのであり、これでは船主が労使交渉で模倣しても、海員組合はお手上げを認めざるを得ない。

次回の第3回調査では、争点の整理と、田中伸一、森田保己両氏に対する証人尋問の採否が決定されることが確認された。

次回日程は、次の通り。

平成29年(不再)第5号全日本海員組合不当労働行為事件 第3回調査
 日 時 : 平成29年10月12日(木)14時
 場 所 : 東京都港区芝公園1-5-32 中央労働委員会






2017.08.01 隠蔽
先週金曜日、稲田朋美氏が防衛大臣を辞任した。

辞任の理由は、陸上自衛隊が南スーダンに派遣した部隊の日報を隠蔽したことの管理責任だとされているが、世間の多くは、稲田氏自身が関与していたとの疑念を払しょくしていない。

この問題では、隠蔽とともに非公開と言う言葉も多用された。

隠蔽と非公開の違いは、故意に覆い隠したか否かがポイントであろう。

他方、安倍首相夫人が関与したのではないかと報じられている森友学園問題や、安倍首相自身に疑惑が向けられている加計学園問題についても、隠蔽があるのではないかとの疑いは晴れないままである。

疑いを消し去るには、事実を証明するしかないが、その根拠となるべき官僚や関係機関の記録が無いことに、多くの国民は驚きとともに、政権に対する不信を増幅させている。

また、国会審議の中で、官僚たちが異口同音に発した「記憶にない」という言葉も、国民の怒りを更に高めている。

我が国政府が、愚かにも、これほどまでに情報を隠蔽していたとすれば、安倍政権の先行きは明らかである。

国会では、これらの問題について、閉会中の審議が行われたが、疑惑は晴れるどころか、深まるばかりである。

国民から求められている国会のチェエク機能が、これまでになく期待されていることを野党は肝に銘じ、更なる追及を続け、真相を明らかにしてもらいた。

最近の船員しんぶんを見ると、多くの読者は、船員社会は平和そのものだと受け止めるだろう。

文化活動やスポーツ活動に興味がある者にとっては歓迎されるであろうが、労働組合の機関紙としては、落第点をつける者も多くいるのではないだろうか。

北朝鮮情勢、予備自衛官問題、協和海運問題、海員組合が被告となっている訴訟の数々など、組合員が求める記事の詳細は全くと言っていいほど掲載されていない。

非公開としているのであれば、その理由を組合員に知らせるべきであるが、単なる隠蔽であるとしたら大問題だ。

政府の場合、防衛に関する情報など、非公開としなければならないものがあることは分かるが、労働組合が内部情報を非公開とする理由は全くない。

これほどまでに情報公開に消極的な姿勢は、隠蔽と疑われてもしょうがないのではないか。

職場委員は、海員組合の活動をチェックする使命を帯びているが、今の異常な体質に異論を唱えなければ、隠蔽に加担しているとの誹りは免れなくなる。

現下の政治問題を、対岸の火事と暢気な気分で傍観していると、それがわが身に降りかかることを忠告したい。