2014.09.02 中労委 結審
海員組合は、東京都労働委員会が6月23日に交付した、不当労働行為救済命令を不服として、6月26日付で、中央労働委員会に対し、再審査の申立てを行った。

その第1回調査が、昨日(9月1日)午後1時から、中央労働委員会において開かれた。

結論から言えば、1回の調査で結審し、命令が下されることになった。

今回の事件は、中労委においては「平成26年(不再)第32号 全日本海員組合事件」と称され、中労委の第3部会が担当した。

調査は、出席者の紹介から始まった。
中労委の審査委員および労使の参与委員に続き、海員組合側出席者として、大熊政一弁護士、田川俊一弁護士、堺充廣弁護士を含む6名の代理人弁護士と松浦満晴氏他2名が順に自己紹介を行った。

海員労組からは、代理人弁護士1名と代表者である私の他に、5名が自己紹介を行った。

次に、再審査申立人である海員組合と、再審査被申立人である海員労組が提出した書類の確認が行われ、東京都労働委員会の命令で示された事実認定について、双方に争いが無いことが確認された。

続いて、海員組合、海員労組の順で、個別の調査が、それぞれに30分程度行われた。

海員労組に対する個別の調査では、和解の可能性について質されたが、海員組合がこれまで数々の違法行為を繰り返していること、都労委命令についても独善的な解釈をしていること、石川県労働委員会における不当労働行為事件の状況などを述べ、非常に困難であることを率直に伝えた。

その後、全体会合が開かれ、審査委員は、和解が困難であると判断し、即日結審を告げた。

最後に、審査委員は、双方に対し、9月30日までに最終準備書面を提出するよう求め、閉会した。

今後は、中労委において、最終準備書面提出後に審査が進められ、その結果が命令として交付されることになる。

命令の時期についての具体的な説明はなかったが、中労委の業務が多忙とのことで、年を越す可能性も考えられるとの印象を受けた。

中労委における不当労働行為再審査事件の審査状況についての情報は持ち合わせていないが、恐らく1回の調査で結審するのは、そう多くはなないものと思われる。

都労委命令と、中労委における調査の経過から、自ずと中労委が交付する命令が推察されるが、中労委が、都労委命令を維持した場合、海員組合はどうするのであろうか。

その場合は、中労委命令に従うか、それとも中労委を相手に取り消し訴訟を提起するか、いずれかの判断を迫られることになろう。

海員組合にとって、極めて重大な中労委における調査であると思われるところ、田中伸一副組合長が参加しなかったのは理解が出来ない。

田中伸一副組合長は、1月28日に開催された海員労組との第1回団体交渉において交渉委員長を務め、その中で海員労組が法適合組合であるかに疑念を表明し続けたことが、都労委命令において問題とされているからだ。

自らの言動が都労委命令につながっているにもかかわらず、その当事者であり責任者である田中伸一副組合長が姿を現さなければ、中労委への再審査申立てに対する海員組合の姿勢が問われるのではなかろうか。

海員組合は、労働組合法に基づく資格証明の交付を中労委から受けているが、中労委においても不当労働行為が認定された場合、果たして、労組法に基づく労働組合として、問題が生じるか否か、注目されるところだ。

連合の中の主要な労働組合の一つであり、産業別単一労働組合を誇る全日本海員組合が、こともあろうに不当労働行為を行ったという前代未聞の事件は、労働委員会において、最終決着する日は、まもなく到来することになる。



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8月28日(木)午前10時30分から、東京高裁812号法廷で、パワハラ裁判の第1回控訴審が開かれた。

裁判長は、開廷すると、第一審の原告・被告双方が提出した書面の陳述を確認すると、直ちに結審を宣言し、判決を10月2日(木)午後1時30分に812号法廷で言い渡すことを申し渡し閉廷した。

僅か5分程度の、呆気ない幕切れである。

この裁判の第一審判決は、5月23日に下り、藤澤洋二(当時、組合長)、松浦満晴(総務局長)、森田保己(当時、国際局長)の3氏の不法行為を認め、藤澤洋二氏に5万5000円、松浦満晴氏に16万5000円、森田保己氏に66万円、総額で88万円の慰謝料等の支払いを命じた。

この第一審判決に対し、松浦満晴、森田保己両氏が5月28日に控訴。

私も、第一審判決で示された事実認定に不十分な点があると判断したことと、被告とした藤澤洋二、大内教正、田中伸一、高橋健二、立川博行、田中利行、松浦満晴、森田保己の8氏のうち、藤澤洋二、松浦満晴、森田保己の3氏の不法行為しか認められなかったことから、6月3日に控訴状を提出した。

なお、藤澤洋二氏からの控訴の提起はなかった。

控訴審においては、第一審において、十分な審理・判断がされていることから、さらなる争点整理や証拠調べを必要としない場合、一回の弁論期日で結審することが多いようである。

控訴審判決が、第一審判決から6ヶ月以内という迅速なものとなったことは大いに評価できるが、最も重要なのは、判決内容であり、第一審判決を補充し、被告8名全員の不法行為が認定されるよう、10月2日を期待したい。


8月27日、石川県労働員会において、海員労組が申し立てた2件の不当労働行為救済申立事件の調査が行われた。

【石労委平成26年(不)第1号全日本海員組合事件】

午後1時から行われた1件目の調査は、海員労組が第2回団体交渉を金沢市内で開催すること求めたのに対し、海員組合が応じなったことが団交拒否に当たるかが争われている。

今回の調査は3回目で、海員組合側からは、法律顧問である相馬達雄弁護士、堺充廣弁護士を含め5人の弁護士と共に、松浦満晴総務局長と総務部の専任部長が参加した。

海員労組からの参加者は、私一人である。

調査は、前回調査以降に提出された書面の確認と、今後提出予定の書面について、双方の考えを質された後、次回の審問で行われる証人尋問について話し合われた。

海員組合が申請した証人は松浦満晴氏のみであったのに対し、海員労組は田中伸一氏と北山等の二人を申請したところ、労働委員会は、松浦満晴氏と私の証人尋問を行った上で、さらに事実認定や心証形成に必要であれば、田中伸一氏の証人尋問を検討することとした。

続いて今後の審査計画について話し合われ、労働委員会は、証人尋問の日程について、10月1日に北山等、10月27日に松浦満晴氏とする考えを示したのに対し、10月1日に北山等と松浦満晴氏の二人の証人尋問を行うことを要望したところ、そのように確認された。

最後に労働委員会は、証人尋問に向け、松浦満晴氏と私に対し、陳述書の提出を要請するとともに、次回期日を10月1日(水)午後1時とすることとし閉会した。

【石労委平成26年(不)第2号全日本海員組合事件】

第1号事件に続き、午後2時から、申立人、被申立人とも同じ参加者によって、第2号事件の第1回調査が行われた。

まず労働委員会は、出席者の確認を行った後、海員組合側に対し主任代理人を選任するよう求めたところ、相馬達雄弁護士が主任代理人となった。

次に労働委員会は、求釈明事項として、双方に対し、係属中の訴訟等の進行状況と、東京都労働委員会で分離されたA再雇用職員に係る再雇用契約不更新事件の2点について、書面を提出するよう求めた。

続いて、これまでに提出された書面の確認が行われた後、双方に意見が求められた。

当方は、海員組合が提出した答弁書の中に、企業秩序遵守義務違反や反組織活動などの記述があるものの、それを立証する証拠の提出が無いことを指摘したところ、労働委員会は、海員組合側に対し検討し、提出することを求めた。

次に審査計画について審議され、労働委員会から主な争点として次の3点が示された。

①被申立人が北山氏の再雇用契約の更新を拒否したことは、北山氏らが申立人組合を結成したことや団体交渉を申し入れたことを理由とした不利益取扱いに当たるか。

②被申立人が北山氏の再雇用契約の更新を拒否したことは、申立人組合が東京都労働委員会に不当労働行為救済申立てをしたことを理由とした不利益取扱いに当たるか。

③被申立人が北山氏の再雇用契約の更新を拒否したことは、被申立人が申立人組合の弱体化を図ることを目的とした支配介入に当たるか。

この労働委員会が整理した3点の争点については、次回までに意見があれば申し出ることになった。

その後、審査計画のその他の事項について、現時点の状況についての説明が行われ、最後に、次回期日を10月1日(水)の第1号事件終了後に開催することを確認し、閉会した。






中央労働委員会における第1回調査が9月1日に行われるが、再審査を申立てた海員組合の主張が明確になってきた。

結論的には、東京都労働委員会が発した、不当労働行為救済命令は判断を誤っているとの帰結であるが、具体的な中身は、自己弁護と独断的な解釈を駆使する内容である。

海員組合が、東京都労働委員会において、団交に応じなかった理由として挙げたのは、①海員労組の結成目的が私怨を晴らすためのものである、②海員労組は使用者の利益を代表する者(利益代表者)の参加を許すものである疑いがある、の2点であったが、都労委命令は、2点とも団交を拒否する理由にならないことを明確に判断した。

都労委において海員組合が最も拘ったのは、利益代表者の参加についてであった。

利益代表者については、労働組合法2条1号に記載があり、その参加を許す労働組合は、労働組合法に基づく救済を受けられないことになっている。つまり、労働委員会への救済申立てもできないということである。

このようなことから、どこまでが利益代表者に当たるのかは、大きな問題なのだが、労働組合の自主性の確保というのが参加を認めない趣旨であることから、役員や監督的地位にある管理者等に限られるというのが、常識的な見解である。

これに対し、海員組合が主張する利益代表者というのは、常任役員や地方支部長にとどまらず、地方支部副支部長や支部長、さらには執行部員や在籍専従執行部員までも含むというものである。

そうすると、利益代表者でないのは、先任事務職員、事務職員、再雇用職員のみということになる。

果たしてこのような乱暴な区別が通じると思っているのであろうか。

海員組合の主張からすれば、海員組合の全従業員の過半数が利益代表者ということになり、あまりにも常識外れという外はない。一般の企業でいえば、「総合職は全員利益代表者である」という主張に近い。

海員組合は、労働組合として基本的なことを忘れ去っているようである。

それは、労働組合への加入を選択するのは、労働者の権利であり、使用者からとやかく言われることではないという原則である。

海員労組は、自らの規定に基づき、これまで通り、執行部員を組合員とし、積極的に加入を促進して行きたいと考えている。

田中伸一副組合長は、海員労組との第1回団体交渉において、海員労組が法適合組合かということについて、極めて疑問、疑念を持っていると述べている。

それは、執行部員は利益代表者に当たるとの考えに基づくものと思われるが、このような大きな誤りに基づく主張が、今日までの様々な混乱の原因ではないかと推測される。

田中伸一氏は、海運経営者が自らの持論に基づいて、船長、機関長、航海士、機関士の船舶職員は、利益代表者であると主張した場合、これを容認するのであろうか。

海運経営者が、海員組合には利益代表者が存在するとの疑いを主張すれば、団交に応じなくてもよいと考えているのであろうか。

こうした世の常識の類に反して、自らの正当性を強弁しているようでは、海員組合で起こっている混乱は収束することは絶望的である。

田中伸一氏の特異な持論に基づけば、利益代表者の範囲は拡大し、この世から、労働組合の必要性は限りなく失せ、海員組合の存在も危うくなることに気付いていないようである。



2014.08.22 当面の日程
来週から、少し忙しくなりそうだ。

当面の日程は、次の通りだ。

8月27日(水)1300 石川県労働委員会 第1号不当労働行為事件調査
8月27日(水)1500 石川県労動委員会 第2号不当労働行為事件調査
8月28日(木)1030 パワハラ裁判 第1回控訴審(東京高裁812号法廷)
9月 1日(月)1300 中央労働委員会 不当労働行為事件第1回調査
9月11日(木)1330 第8回偽計業務妨害裁判(東京地裁411号法廷)
9月12日(金)1000 第6回再雇用契約拒絶裁判(東京地裁521号法廷)

降りかかる火の粉は払わなければならないが、それにしてもこれだけの数となると、些か体力的にも経済的にも負担になることは否めない。

これらの裁判等で対峙する海員組合は、これ以外にも次の裁判を抱えている。

前組合長藤澤洋二氏との間の、統制処分無効裁判(東京地裁)
渡邊長寿執行部員との間の、降格等の裁判(東京地裁)
竹中正陽氏との間の、組合員としての地位確認訴訟(東京地裁)
A再雇用職員との間の、再雇用契約拒絶無効訴訟

私が知る限りでも、海員組合は、実に10件の裁判や労働委員会での審査を行っていることになる。

裁判や労働委員会の審査は、月に1回のペースで進行するのが一般的だ。

そうすると、海員組合は、月間約20日間の平日の内、10日間を裁判などに費やしていることになる。

実に月の半数である。

このような状況を正常と考える者はいないであろう。

平成20年の私に対する不当解雇裁判に始まり、今日までの6年間、海員組合は、組合従業員や組合員などとの裁判に明け暮れている。

これらの裁判のほとんどは、海員組合の敗訴に終わり、これからも同様の結果が続くであろう。

海員組合は、外部からの攻撃から組合員を守る運動よりも、組合内部の従業員との争いに終始していると見られても致し方ないのではないか。

こうした状況に嫌気がさしたのか、執行部員の依願退職が止まらない。

海員組合は、執行部員150名体制を基本としてきたが、現在の執行部員は、100名を切ろうとしている。

執行部員が3分の2になってしまっては、組合活動に支障が生じることは否定できないであろう。

海員組合の指導部は、一体何を守ろうとしているのであろうか。

現在の指導体制が続く限り、従業員などとの裁判が絶えることは望めず、従業員が結成した労働組合との正常な労使関係確立もままならないであろう。

海員組合の再生のために残された唯一の選択肢は、指導体制の刷新であることは明白であり、一日も早く、執行部員、職場委員、全国委員が声を上げることを期待したい。